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11 子牛のMannheimia varigena による腎盂腎炎 〔小松 徹也(愛知県)〕

 ホルスタイン種,雌,7日齢,斃死例(死後約36時間).乳牛約45頭と肉牛約45頭を飼養する複合農家で, 2016年1月,軽度の肺炎を示した子牛が急死したため,翌日病性鑑定を実施した.

 剖検では,腎臓は顕著に腫大(25×15cm程度)し,胸腔には胸水の貯留がみられた.

 組織学的には,腎乳頭に多数の好中球浸潤及び線維素析出が観察され,一部には細菌塊や燕麦様細胞が認められた(図11A,B).同部の周囲には血管壁の変性・壊死,血栓形成及び出血が観察された.また,皮質の間質では好中球やマクロファージの集簇巣が散見された.グラム染色では,腎乳頭の病変部にグラム陰性短桿菌が観察された.さらに抗Mannheimia varigena 家兎血清(動衛研,茨城)を用いた免疫組織化学的染色で,腎乳頭及び皮質の病変部に一致して,細菌塊や炎症性細胞内に陽性反応が認められた.その他,肝臓で胆汁栓,肺でうっ血,水腫及び軽度の好中球浸潤がみられた.

 細菌学的検査では,腎臓からMannheimia 属菌が分離され,PCR及び16S rRNAのシークエンス解析によりM. varigena と同定された.ウイルス学的検査では,牛ウイルス性下痢ウイルス,牛RS ウイルス,牛パラインフルエンザウイルス及び牛コロナウイルスの特異遺伝子は検出されなかった.

 以上から,本症例は子牛のM. varigena 感染症と診断された.

腎盂腎炎