booo.png

15 シャモンダウイルスの関与が疑われた牛死産胎子の大脳における非化膿性脳炎 〔早島 彬美(長崎県)〕

 黒毛和種,雄,胎齢273日,死産.母牛3頭飼養の繁殖農場において,2016年2月1日,10歳の母牛が予定日より2週間早く破水し,難産のため診療獣医師により娩出が行われた.異常産3 種混合ワクチンは2014年まで接種されていた.おとり牛による流行予察検査では,2015年8月から11月にかけて,県内の広範囲でシャモンダウイルス(SHAV)の抗体陽転が確認された.

 剖検では,前肢屈曲,後肢伸展,背側方向の斜頸,胸部から腰部の脊柱S字状彎曲,側脳室拡張,大脳の脳内空洞,及び小脳の矮小化が認められた.

 組織学的には,大脳や脳幹部において,単核系細胞主体の中等度の囲管性細胞浸潤や軽度髄膜炎,及びグリア細胞や形質細胞の集簇巣が散見された(図15).脊髄では,軽度の囲管性細胞浸潤,腹角の大型神経細胞の減数や消失,及び腹索の髄鞘の減少が認められた.骨格筋や舌では,筋線維束の大小不同や矮小化,及び脂肪組織による置換が認められた.家兎抗アカバネウイルス血清(動衛研,茨城)及び家兎抗SHAV血清(動衛研,茨城)を用いた免疫組織化学的検査では,中枢神経系に陽 性反応は認められなかった.

 病原検査では,脳幹部及び脳室内貯留液からシンブ血清群ウイルスの遺伝子が検出され,S RNA分節(443塩基)を解析した結果,2015年に鹿児島県で分離され たSHAVの遺伝子と99.6%一致した.

 以上より,本症例はSHAVの関与を疑う牛の異常産と診断された.

鶏の肝の多発性巣状壊死