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18 子牛のBacteroides stercoris が分離された脳膿瘍及び化膿性脳室炎 〔勝井 一恵(大阪府)〕

 黒毛和種,雄,26日齢,鑑定殺.飼養頭数約100頭の酪農家において,2016年1月に5日前より起立不能に陥った子牛がみられた.抗生剤を投与したが回復がみられず,予後不良と診断され病性鑑定を実施した.同居牛に異常は認められなかった.

 剖検では,大脳左半球前部及び脳室に膿瘍が形成されていた.左肺前葉に1cm 大の膿瘍が形成され,左肺に暗赤色化及び硬化がみられた.

 組織学的に,大脳では膿瘍が形成され,その周囲に燕麦細胞,好中球やマクロファージの浸潤がみられた(図18).また,脳室内には細胞退廃物が充満し,好中球の浸潤や線維素の析出がみられた.脳室周囲ではマクロファージや好中球の浸潤,血管の増生や囲管性細胞浸潤がみられた.グラム染色では膿瘍内にグラム陰性桿菌がみられた.左肺では,肺胞腔内及び細気管支腔内に好中球やマクロファージの浸潤がみられた.抗Trueperellapyogenes 血清(動衛研,茨城)を用いた免疫組織化学的検査では,脳膿瘍に抗原は認められなかったが,肺に一部陽性抗原が確認された.

 細菌学的検査では,脳と肺からBacteroides stercorisT. pyogenes が分離された.

 以上より,本症例は子牛のB. stercorisT. pyogenes の混合感染症と診断された.

脳膿瘍,
化膿性脳室炎