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2 牛のMycoplasma bovis による多発性細気管支内凝固壊死を伴う化膿性気管支肺炎 〔細川 久美子(広島県)〕

 交雑種,雌,178日齢,鑑定殺.育成牛150頭,子牛 130 頭を飼養する肥育農場で,2015年6月20日導入の 子牛が8 月から呼吸器症状を呈した.治療を繰り返した が,著効がみられなかったため10月5日に病性鑑定を 実施した.

 剖検では,肺の左前葉と左後葉のごく一部を除いた肺 組織にび漫性に小豆大から拇指頭大の乾酪壊死巣が多発 性に認められた.これらにより肺は正常構造を失い,重 量及び硬度を増して退縮不全を呈していた.また,小葉 間結合組織は明瞭化し,各肺葉は癒着していた.

 組織学的に,多数の拡張した細気管支内に好中球由来 の細胞輪郭が明瞭な凝固壊死産物が充満していた.ま た,細気管支上皮細胞の壊死や周囲肺組織への炎症の波 及,及び線維化が認められた(図2).周囲肺組織は圧 迫され含気に乏しく,軽度に充血し,肺胞腔に泡沫状の 細胞質を持つマクロファージ及び好中球が浸潤してい た.細気管支周囲には濾胞形成を伴うリンパ球浸潤が散 見された.免疫組織化学的染色では細気管支内の凝固壊 死巣に一致して家兎抗Mycoplasma bovis 血清(動衛研, 茨城)に対する陽性反応が確認された.

 病原検査では,ウイルス分離及び細菌分離は陰性で あったが,肺からM. bovis 遺伝子が検出された.

 以上から,本症例は牛マイコプラズマ肺炎と診断され た.

化膿性気管支肺炎