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21 子牛の脊髄におけるMannheimia varigena による化膿性脊髄神経上膜炎及び髄膜炎 〔稲見 健司(福島県)〕

 交雑種,雌,20日齢,斃死例.2016年1月9日に生まれた子牛の頭頂部にソフトボール大腫瘤が認められ,4日齢時に切除した.腫瘤内には淡赤色液が多量に貯留し,組織検査で髄膜及び大脳皮質様構造が認められ,髄膜脳瘤と診断した.その後は臨床症状なく経過したが,1月28日に斃死した.

 剖検では,頭頂部の頭蓋骨欠損が4.5×2.5cmの蝶形に認められた.大脳は著しく変形・菲薄化し,脳室は拡張していた.第三脳室内には小指〜拇指頭大灰白色疣状結節が散在していた.

 組織検査では,脊髄硬膜下にグラム陰性桿菌塊と多数の好中球浸潤が認められ,脊髄神経上膜でより重度であった(図21).灰白質の血管周囲には軽度好中球浸潤が認められた.頸髄から腰髄まで部位による病変の違いはなく,同様の所見が大脳や脳幹,小脳,下垂体及び三叉神経節の周囲や視神経周囲に認められた.家兎抗Mannheimia varigena 血清(動衛研,茨城)を用いた免疫組織化学的検査において,各病変の菌体に一致して陽性反応が認められた.脳室内の疣状結節は異所性灰白質組織であり,中脳水道内にも認められた.その他,全身諸臓器のうっ血以外に著変は認められなかった.

 病原検査では,主要臓器,脳及び脳脊髄液の細菌検査の結果,脳と脳脊髄液からM. varigena が分離された.

 以上より,本症例は髄膜脳瘤と内水頭症の子牛のM. varigena 感染症と診断された.

化膿性脊髄神経上膜炎及び髄膜炎