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26 豚のHaemophilus parasuis による線維素性化膿性心膜炎 〔藤森英雄(東京都)〕

 LWD,去勢,97日齢,鑑定殺2015年11月,母豚7頭の施設で,8月生まれの同腹子豚9頭中1頭が急死,翌日1頭が震戦,起立困難となり病性鑑定を実施した.

 剖検では,肺は肥厚した心膜と横隔膜に癒着し,両肺の後葉辺縁部が暗赤色を呈していた.心膜には線維素が重度に析出し絨毛心を呈し,心囊液は混濁していた.胸腔及び腹腔内には軽度に線維素が析出し,脳では脳硬膜が白濁し,髄膜下血管が充盈していた.

 組織学的に,心膜表層に線維素析出,好中球とマクロファージの重度の浸潤が認められ(図26),肺では胸膜に線維素析出,炎症細胞浸潤,小葉間結合織の水腫性拡張が認められた.脳はクモ膜下腔に炎症細胞が重度に浸潤していた. 心臓, 肺及び脳の免疫染色では, 抗Haemophilus parasuis(2 型,4 型,5 型)家兎血清(動衛研,茨城)で炎症細胞内・外,線維素網内の菌体様構造物が陽性を示したが,1 型,3 型及びStreptococcussuisMycoplasma hyorhinisPasteurella multocida(A型,D 型)(動衛研,茨城)は陰性だった.

 病原検査では,主要臓器から病原細菌は分離されなかった.

 以上より,本症例はヘモフィルス・パラスイス感染症(グレーサー病)と診断された.免疫染色で明瞭な陽性反応が検出されたのは抗菌剤を投与していなかったことと関連があるとの意見があった.

線維素析出と炎症細胞浸潤