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27 哺乳豚の豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)ウイルス による間質性肺炎 〔杉 晋二(熊本県)〕

 交雑種,性別不明,約1 週齢,鑑定殺.繁殖母豚約 70頭を飼養する一貫経営農場で,2015年6月頃から分 娩後の母豚の一部に食欲不振及び泌乳量低下,哺乳豚に 削痩及び死亡が発生した.その後,2015年11月に哺乳 豚が下痢を呈したため,病性鑑定を実施した.

 剖検では,6頭中4頭で結腸が水腫を呈し,提出症例 で肺の退縮不全が認められたが,その他の臓器に著変は 認められなかった.

 組織学的に,肺ではマクロファージの浸潤を伴って肺 胞壁がび漫性に肥厚していた(図27).一部の肺胞内に 軽度に線維素が析出し,マクロファージ及び好中球が浸 潤していた.大脳や中脳では,髄膜や血管周囲に単核細 胞が浸潤していた.マウス抗PRRSウイルスモノクロー ナル抗体(Rural Technologies, U.S.A.)を用いた免疫 組織化学検査で,肺胞壁及び大脳の髄膜炎部において, マクロファージの細胞質内が散在的に陽性を示した.家 兎抗豚サーコウイルス2型抗体(動衛研,茨城)を用い た免疫組織化学検査は陰性だった.

 病原検査では,RT-PCRにより血清からPRRSウイ ルス特異遺伝子が検出され,ELISAでPRRSウイルス 抗体が検出された.MARC145細胞を用いたウイルス分 離は陰性であった.豚流行性下痢,伝染性胃腸炎ウイル スの特異遺伝子は検出されず,豚コレラのFAは陰性 だった.病原細菌は分離されなかった.

 以上から,本症例はPRRSと診断された.感染経路 は胎内感染が疑われたが,特定には至らなかった.

PRRSウイルスによる間質性肺炎