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3 牛の肺におけるMycoplasma bovis による多発性凝固壊死を伴う化膿性気管支肺炎 〔万所 幸喜(京都府)〕

 黒毛和種,去勢雄,13カ月齢,斃死例.約70頭規模 の肉用牛農家で,本症例が発熱,食欲不振のち廃絶,元 気消沈,努力性呼吸を呈し,加療に反応なく2日後に斃 死した.なお本牛は過去に肺炎の治療歴があった.

 剖検では,肺は各肺葉間が癒着し,左右とも前葉から 後葉は暗赤色を示し,割面には気管支に一致して円形な いし癒合性の乾酪壊死巣が多発していた.その他の臓器 に著変はみられなかった.

 組織学的に,細気管支腔は好中球の凝固壊死物により 閉塞・拡張し,線維性結合組織が包囲していた.肺小葉 内にも好中球と肺胞を含む凝固壊死巣が散見された(図 3).壊死巣内にはグラム陰性及び陽性細菌塊が散在して いた.肺胞内への好中球及びマクロファージの浸潤,肺 胞壁毛細血管での線維素血栓の形成,及び小葉間結合組 織での線維化が認められた.肺リンパ節では,リンパ濾 胞増生及び洞組織球症が認められた.免疫染色により, 細気管支及び肺小葉の凝固壊死巣内に多量のMycoplasma bovis 抗原が検出された.また,細気管支内の細菌 塊の一部にPasteurella multocida 抗原が少量検出され た.

 病原検査では, 肺及び気管からM. bovis 及び P. multocida が分離された.牛RSウイルスは検出され なかった.

 以上から,本症例はM. bovis が主因で,他の細菌が 混合感染したと考えられ,疾病診断は牛マイコプラズマ 肺炎とされた.

化膿性気管支肺炎