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30 豚のバランチジウム及びアメーバの寄生を伴うBrachyspira pilosicoli による増殖性壊死性結腸炎 〔篠川有理(新潟県)〕

 LWD,性別不明,2カ月齢,鑑定殺.繁殖母豚70頭規模の一貫経営農場において,2015年夏頃より離乳後の肥育豚が下痢を呈した.発育にばらつきがみられたため,同年12月に発育不良豚8頭の病性鑑定を実施した.本症例はそのうちの1頭であり,マイコプラズマ及び豚サーコウイルス2型のワクチンを接種していた.

 剖検では,結腸腸間膜の水腫及び結腸の膨大が認められ,粘膜面に潰瘍が散見された.

 組織学的に,結腸では陰窩上皮細胞の過形成や杯細胞の減少を認め,粘膜固有層に単核細胞の浸潤が認められた.粘膜表層には好塩基性の偽刷子縁が多発し(図30),一部で表層粘膜上皮の変性や剥離も観察された. また陰窩膿瘍や小潰瘍が散在し,潰瘍部にはバランチジウムやアメーバなどの原虫が認められた. 家兎抗Brachyspira pilosicoli 血清(動衛研,茨城)を用いた免疫組織学的染色では,偽刷子縁や陰窩腔内のらせん菌が陽性であった.ワーチンスターリー染色では,粘膜上皮細胞内にらせん菌は認められなかった.

 病原検査では,主要臓器及び十二指腸内容物から病原細菌は分離されなかった.Lawsonia intracellularisBrachyspira hyodysenteriaeB. pilosicoli について結腸のPCR検査を実施し,B. pilosicoli の特異遺伝子のみ検出された.

 以上から,本症例は豚結腸スピロヘータ症と診断され た.

増殖性壊死性結腸炎