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32 豚のPCV2による好塩基性細胞質内封入体形成を伴うび漫性肝細胞変性・壊死 〔山本英子(神奈川県)〕

 LW,雌,24日齢,鑑定殺.繁殖雌豚5頭を飼養する農場で,初産母豚が分娩した哺乳豚(17頭娩出,4頭死産,3頭圧死)が3日間で3頭死亡した.残り7頭のうち元気消失や黄白色下痢を呈した2頭と,斃死した1頭の病性鑑定を実施した.本症例は鑑定殺の1頭で,発育は良好であった.

 剖検では,肝臓は黄色味を帯び,やや萎縮,表面粗造であった.腸管は全体的に水腫様で,結腸腸間膜は黄褐色ゼリー状,盲腸は尖部漿膜面が暗赤色であった.

 組織学的に,肝臓では肝小葉が萎縮し,炎症細胞浸潤巣が散在していた.肝細胞索は乱れ,肝細胞は一様に腫大し淡明であった.また,細胞核の腫大もみられ(図32),壊死した肝細胞が散見された.変性した肝細胞やマクロファージにおいて,まれに好塩基性細胞質内封入体が認められた.全身のリンパ組織では,リンパ球減数や封入体形成が認められた.空腸や盲腸では粘膜の壊死や好中球の浸潤などがみられた.家兎抗PCV2血清(動衛研,茨城)を用いた免疫組織学的染色では,肝臓及びリンパ組織の封入体に一致して陽性反応が認められた.

 病原検査では,PCR法により肝臓からPCV2特異遺伝子が検出された. 空腸内容から非溶血性のEscherichia coliが分離され(1.0×104 CFU/g未満),PCR 法による毒素及び定着因子検査は陰性であった.

 以上より, 本症例は豚サーコウイルス関連疾病(PCVAD)と診断された.

び漫性肝細胞変性・壊死