booo.png

33 豚のPCV2 によるび漫性肝細胞変性・壊死 〔古田信道(山形県)〕

 交雑種,雄,約50日齢,斃死.繁殖雌豚50頭規模 の一貫経営農場で2015年11月下旬に生まれた子豚6 頭中2頭が,翌年1月10日と12日(本症例)に斃死 した.ワクチン歴はなかった.

 剖検では,肺は全体的に水腫性で,赤色〜暗赤色の大 理石様の色調を呈した.肝臓と腎臓は褪色していた.小 腸は全体的に暗赤色を呈し,内容物には血様物を混じて いた.鼠径リンパ節は軽度に腫大していた.

 組織学的に,肝小葉間結合組織に線維増生があり,肝 小葉は一様に萎縮し(図33A),多くの肝細胞は風船状 に腫大し,しばしば壊死していた.ディッセ腔は拡張し, マクロファージやリンパ球が浸潤しており,胆管増生も 認められた.肺はうっ血し,気管支周囲にマクロファー ジを中心とする単核細胞が浸潤していた.回腸パイエル 板では,リンパ球減数が顕著で,多核巨細胞を伴うマク ロファージ浸潤巣が散見された.ほかに,盲腸粘膜下織 で多数の血栓形成や,各リンパ節におけるリンパ球減少 と好塩基性細胞質内封入体形成がみられた.家兎抗 PCV2血清(動衛研,茨城)を用いた免疫組織学的染色 では,肝臓のマクロファージや肝細胞(図33B),肝門 リンパ節の封入体に一致して陽性反応が認められた.

 病原検査では,PCR 法により肺及び鼠径リンパ節か ら,PCV2遺伝子が検出された.

 以上から, 本症例は豚サーコウイルス関連疾病 (PCVAD)〔離乳後多臓器性発育不良症候群(PMWS)〕 と診断された.

び漫性肝細胞変性・壊死