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36 ビタミンA欠乏による鶏の食道の粘液腺における 扁平上皮化生と過角化 〔稲垣華絵(北海道)〕

 ボリスブラウン,雌,450日齢,鑑定殺.2015年3月, 自家配合飼料を給与する養鶏場で,360〜450日齢鶏群 において,削痩,産卵率低下(約20〜30%),眼瞼の 腫脹,卵黄の褪色,破卵,及び斃死率の増加がみられた.

 剖検では,食道粘膜における直径1〜2mmの白色結 節の多発と小腸における鶏回虫の寄生がみられた.

 組織学的に,食道の粘液腺に一致して過角化を伴う扁 平上皮化生がみられ,化生を示す粘液腺周囲にリンパ球 やマクロファージが集簇していた(図36).一部の粘液 腺では肥厚した化生上皮層に偽好酸球等が浸潤し,腺腔 は角質,偽好酸球や細胞退廃物の滞留により拡張してい た.また重層扁平上皮化生は,舌の粘液腺,腺胃,鼻粘 膜及び尿管で認められた.気管では粘膜上皮の一部に線 毛消失や杯細胞の減数などがみられた.

 病原検査では,主要臓器から病原細菌は分離されな かった.

 血液生化学的検査で,本症例の血清レチノール値は 25.9IU/dlであった.採卵鶏群の血清レチノールの平均 値の推移は,2014年4〜10月は140.7〜166.3IU/dl, 2015年1月は87.5IU/dl,3月は17.9IU/dlであった. 飼料対策後に鶏群の血清レチノール値は回復した.

 以上から,本症例はビタミンA欠乏症と診断された. 冬季の緑餌の給与不足が誘因と考えられた.

扁平上皮化生と過角化