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37 鶏の筋胃び爛 〔豊島 靖(沖縄県)〕

 USチャンキー,性別不明,14日齢,鑑定殺.飼養羽数60,000羽規模の農場で導入雛の死亡が増加した.鶏群全体は元気であったが,小さな個体に脚弱がみられ,少数で下痢,白痢も観察された.飼料は通常の配合飼料 であった.発症鶏7羽(生体3羽,解剖直前死2羽,死体2羽)について病性鑑定を実施した.

 剖検では,肝臓の褪色,腺胃及び筋胃に茶褐色粘土様物貯留,筋胃粘膜剝離,空回腸粘膜の一部に充血,盲腸の充血,及び直腸に粘性白痢様便貯留がみられた.

 組織学的に,筋胃ケラチノイド層が広範に変性・壊死し,粘膜固有層に及ぶび爛が散見された(図37).変性したケラチノイド層には壊死した上皮細胞と細菌塊が混在して認められた.細菌の多くはグラム陽性球菌で,少数のグラム陰性桿菌を伴っていた.そのほかに,腺胃粘膜上皮及び腺胃腺上皮細胞の変性・壊死,並びに十二指腸及び盲腸の粘膜上皮細胞の壊死がみられた.また,ファブリキウス囊の濾胞壊死及び肝グリソン鞘の偽好酸球軽度浸潤が観察された.

 病原検査では,病原細菌は分離されなかった.

 以上から,本症例は鶏の筋胃び爛と診断された.鶏の筋胃び爛は,鶏アデノウイルス(FAV)感染やジゼロシンによるものが知られている.ほかにカビ毒や飢餓状態等のさまざまな要因が関与する.本症例では核内封入体が確認できず,FAV感染は否定された.また,飼料の検討をしていないことから原因の特定には至らなかっ た.

鶏の筋胃び爛