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39 鶏の脊髄腰膨大部における大型神経細胞の中心性色質融解 〔熊谷芳浩(岩手県)〕

 肉用鶏,雌,8日齢,鑑定殺.2015年10月,飼養規模約3,000羽の農場において1鶏舎の5日齢雛450羽中5羽が元気消失,うずくまり,振戦,脚麻痺等を呈した.発症雛は8日齢時より増加し,13日齢時に100羽に達し,全羽が淘汰された.種鶏は鶏脳脊髄炎(AE)ウイルスワクチンを接種されていなかった.発症雛20羽(5,8,13日齢)及び未発症雛3羽(5日齢)について病性鑑定が実施された.

 剖検では,異常は認められなかった.

 組織学的に,脊髄腰膨大部の灰白質で大型神経細胞に中心性色質融解が認められた(図39A).抗AE鶏血清(岩手大学)を用いた免疫染色では,変性した神経細胞体に陽性反応が観察された(図39B).神経細胞の色質融解は発症雛全羽の延髄及び脊髄に認められた.13日齢雛の脳及び延髄にグリア結節及び囲管性細胞浸潤が認められ,発症雛の膵臓,肝臓,心臓,消化管等にリンパ球の集簇巣が散見された.

 病原検査では,種鶏並びに8及び13日齢雛からAEウイルス抗体が検出された.リアルタイムRT-PCR(Liu,2014)により,発症雛の大脳または脊髄からAEウイルス遺伝子が検出された.発症雛の脳乳剤をSPF発育鶏卵卵黄囊内に接種し孵化させた雛は,振戦及び運動失調の症状を呈し,脊髄腰膨大部の神経細胞に中心性色質融解が確認された.

 以上より,本症例は鶏脳脊髄炎と診断された.

中心性
色質融解