booo.png

4 牛のMycoplasma bovis による股関節における多発性凝固壊死を伴う化膿性関節炎 〔山崎 俊雄(福井県)〕

 交雑種,雌,6カ月齢,鑑定殺.肉用牛を250頭飼養 する農場で,2015年3月17日から発咳,発熱を呈した 牛が,同年5月28日に右後肢の可動困難,6月30日に 起立不能となった.鑑定殺後,病性鑑定を実施した.

 剖検では,右大腿骨頭は直径3cm大の潰瘍を形成し, 潰瘍部と関節腔内に壊死巣がみられ,同側の寛骨臼は関 節包膜が肥厚していた.両肺前葉から一部の後葉にかけ て暗赤色化及び硬化し,膿瘍が多発していた.

 組織学的には,股関節の滑膜下に,好中球の凝固壊死 巣が多数存在し,周囲にリンパ球浸潤及び線維化が認め られた(図4).肺には,細気管支内腔の好中球凝固壊 死物による閉塞と拡張を伴う化膿性気管支肺炎並びに細 気管支周囲リンパ組織過形成が認められた.免疫染色に より,滑膜下及び肺細気管支内の凝固壊死巣に多量の Mycoplasma bovis 抗原が検出されたが,M. bovirhinis 抗原は検出されなかった.また細気管支内に滲出する白 血球内に少量のPasteurella multocida A抗原が検出さ れた.

 病原検査では,肺及び関節膿瘍を培養後,PCRによ り肺からM. bovis 及びM. bovirhinis,関節膿瘍から M. bovis 遺伝子が検出された.また肺からP. multocida Aが分離された.

 以上から,本症例は牛マイコプラズマ肺炎及び M. bovis による関節炎と診断された.

化膿性関節炎