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41 鶏の肝臓における赤芽球症 〔藤木省志(岐阜県)〕

 肉用鶏,性別不明,78日齢,斃死例(死後24時間以内).2016年2月2日,約3万羽飼養する肉用鶏農場の78日齢の鶏群において,死亡鶏に肝臓,脾臓及び腎臓の腫大が認められた.当該鶏群は1日齢でマレック病(MD)ワクチン(CVI)が接種されていた.

 組織学的に,肝臓の類洞はび漫性に増殖した赤芽球様細胞により拡張し,肝細胞は圧迫され萎縮していた(図41).また,類洞内には泡沫状のクッパー細胞も多数認められた.腫瘍細胞は細胞境界が明瞭なやや大型類円形の細胞で,核は円形でやや淡明,好酸性の大きな核小体とドット状のクロマチンを有していた.細胞質は好塩基性から両染性で,時に核周囲に明庭(ハロー)が認められた.有糸分裂像や二核の腫瘍細胞も観察された.腫瘍細胞は,マウス抗CD3モノクローナル抗体(Dako,Denmark)及び家兎抗鶏白血病ウイルス(ALV)血清(動衛研,茨城)を用いた免疫染色に陰性を示した.透過型電子顕微鏡観察では,腫瘍細胞はリボソームが発達し,核周囲にはミトコンドリアが認められた.ウイルス粒子は確認されなかった.他臓器において腫瘍細胞は血管内に限局し,特に脾臓で顕著であった.

 病原検査では,肝臓及び脾臓から内在性のALV-E亜群並びに癌原性のあるALV-B亜群特異遺伝子が検出された.MDウイルス特異遺伝子は検出されなかった.

 以上から,本症例はALV-B亜群感染鶏にみられた赤芽球症と診断された.

赤芽球症