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42 肉用鶏の卵巣におけるT細胞性リンパ腫 〔河上 友(大分県)〕

 特用鶏,雌,86日齢,鑑定殺.2016年3月2日,6,500 羽を飼養する肉用鶏農場で,発育不良を呈する異常鶏が 増加したため,病性鑑定を実施した.当該農場では,初 生時にマレック病(MD)生ワクチン(HVT+SB-1)を 接種し,日齢の異なる鶏は約1.5mの木の板で仕切られ, 同一鶏舎内で飼養されていた.

 剖検では,肝臓の褪色及び針頭大の白斑,脾臓の軽度 腫大,腺胃及び十二指腸~盲腸の点状出血,並びに卵巣 の腫大及び充出血が認められた.

 組織学的に,卵巣の皮質及び髄質に大小のリンパ球様 細胞の浸潤性増殖が観察された(図42A).リンパ球様 細胞は,単一または複数の小型の核小体を持つ核と好塩 基性の狭小な細胞質を有しており,有糸分裂像も多数観 察された.抗ヒトCD3マウスモノクローナル抗体 (Dako, Denmark)を用いた免疫染色では陽性を呈した (図42B).同様のリンパ球様細胞は,肝臓の実質や類洞, 脾臓の白脾髄領域,腎臓の間質,心臓の筋線維間,肺の 間質,及びファブリキウス囊のリンパ濾胞間に観察され た.その他,小腸にコクシジウムの寄生が観察された.

 病原検査では,五大臓器,脳,ファブリキウス囊及び 皮膚のPCR検査でmeq遺伝子が検出され,伝染性ファ ブリキウス囊病(IBD)ウイルス特異遺伝子は検出され なかった.主要臓器から病原細菌は分離されなかった.

 以上から,本症例はマレック病及び鶏コクシジウム病 と診断された.

T細胞性リンパ腫