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43 キジの気管開嘴虫による肉芽腫性気管炎 〔小菊洋行(愛媛県)〕

 コウライキジ,雌,102日齢,鑑定殺.2013年7月, キジ1,350羽を飼養する農場で,平飼い開放キジ舎へ移 動させたキジに水様性下痢及び異常呼吸(ゴロゴロ)音 が出現し,死亡羽数が増加した.8月には全体の4割の キジに削痩,翼下垂及び換羽の遅れがみられ,開口呼吸 や異常呼吸音を示す個体が散見された.

 剖検では,多数の線虫が気管粘膜に咬着して寄生して いた.赤色の雌と半透明の雄は交接してY字状を呈し ていたことから気管開嘴虫と同定された.雄は気管粘膜 に強く咬着し,周囲の気管粘膜が大きく膨隆していた が,雌は容易に剝がれた.十二指腸は拡張し,盲腸に点 状出血及び線虫の寄生が確認された.

 組織学的に,気管粘膜に気管開嘴虫が咬着し,口腔部 は気管軟骨の近傍に達していた(図43).粘膜固有層に 侵入した虫体は浸潤した多核巨細胞及びマクロファージ に取り囲まれ,咬着部周囲では粘膜上皮細胞の過形成及 び扁平上皮化生が認められた.気管軟骨が一部で欠損 し,肉芽組織に置換される病変もみられた.そのほかに 虫道性の肉芽腫性肝炎,線虫寄生を伴う肉芽腫性食道 炎,小腸でのコクシジウム寄生が認められた.盲腸では 粘膜表層が壊死し,その直下に線虫が寄生していた.

 寄生虫学的検査では, 糞便から気管開嘴虫卵 (1 EPG),毛細線虫卵(14 EPG),及びコクシジウムオー シスト(157 OPG)が検出された.

 以上から,本症例はキジの気管開嘴虫症,コクシジウ ム病及び毛細線虫症と診断された.

肉芽腫性気管炎