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44 ウサギのPasteurella multocida による化膿性胸膜肺炎 〔関口真樹(千葉県)〕

 雑種,雄,3カ月齢,斃死例(死後1日間).ウサギを3部屋で17羽飼養する展示施設の1 部屋で死亡が多発した.この部屋には2016年4月に2カ月齢の12羽を導入したが,5月3〜15日に7羽が死亡し,うち6羽で肺炎が確認された.本症例はこの部屋で飼養され,13日に前後肢伸長姿勢をとり,ST合剤を投与されたが,その後斜頸,起立不能を呈し,15日に斃死した.

 剖検では,肺が胸壁,心膜及び横隔膜と癒着していた.肺は前葉と中葉が暗赤色で,割面では膿瘍が少数みられた.左右の外耳と中耳には膿が充満していた.

 組織学的に,肺胸膜では,重度の偽好酸球,マクロファージ浸潤と燕麦様細胞がみられ,多数のグラム陰性桿菌が認められた(図44).肺は,重度にうっ血し,一部で細気管支から周囲の肺胞にかけて燕麦様細胞主体の化膿巣が散見された.胸膜と化膿巣には免疫染色で抗Pasteurella multocida A型抗体(動衛研,茨城)に陽性反応を示す細菌が多数認められた.また,重度の線維素性化膿性心膜炎及び化膿性外・中耳炎が認められた.小腸では,上皮と固有層に中等度のコクシジウム寄生が認められた.

 病原検索では,P. multocida が肺で多量,心臓,肝臓,脾臓及び腎臓で少量分離された.直腸便の浮遊法で,複数種のコクシジウムオーシスト(55,400 OPG)が検出された.

 以上から,本症例はウサギのパスツレラ症及びコクシ ジウム病と診断された.

化膿性胸膜肺炎