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5 牛のCandida albicans による真菌性第三胃炎 〔瀧澤 光華(群馬県)〕

 黒毛和種,雄,86日齢,斃死例.2015年10月23日 生まれの子牛が,5日齢から下痢を繰返し,抗生物質等 の治療を受けたが,翌年1月17日に斃死した.

 組織学的に,第一胃,第二胃と第三胃の粘膜上皮は, 好中球の重度浸潤,錯角化や角化亢進により著しく肥厚 していた(図5A).病変部では,PAS反応(図5B)と グロコット染色により酵母様真菌と仮性菌糸が認められ た.免疫染色では,真菌は家兎抗Candida albicans 抗 体(Biogenesis, U.K.)に陽性,マウス抗Aspergillus 抗体(Dako, Denmark)とマウス抗Rhizomucor 抗体 (Dako, Denmark)に陰性を示した.その他,回腸パイ エル板のリンパ球減少がみられた.

 病原検査では,主要臓器から細菌は分離されなかっ た.肺で牛RSウイルスと牛パラインフルエンザ3型ウ イルス, 腎で牛ウイルス性下痢ウイルスについて PCRを実施し,特異遺伝子は検出されなかった.第一胃,第二胃と第三胃のパラフィン切片より抽出した DNAを用いたInternal transcribed spacer(ITS)遺 伝子領域中の5.8S-ITS2 rDNA領域における分子生物 学的解析では,得られた塩基配列はC. albicans 当該領 域と100%の相同性を示した.

 以上から,本症例は牛のC. albicans による真菌性前胃炎と診断された.

真菌性第三胃炎