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6 新生子牛のSalmonella O4:i:- による血栓形成とパ イエル板の壊死を伴う偽膜性壊死性回腸炎 〔佐藤 尚人(青森県)〕

 黒毛和種,雄,3日齢,斃死例.成牛31頭,子牛18頭を 飼養する肉用牛繁殖農場において,双子の新生子牛に偽 膜を含む血便が認められ,その後,1頭が死亡したため 鑑定殺を実施した.

 剖検では,肝臓の一部の褪色,心臓における点状出血 及び心外膜炎,並びに膀胱漿膜面及び臍動脈周囲におけ る広範囲の出血が認められた.

 組織学的に,回腸粘膜は線維素,好中球,細胞退廃物 及び多数の細菌塊からなる偽膜で覆われ,絨毛は壊死 し,消失していた.粘膜固有層では,線維素性血栓が多 発し,パイエル板では,リンパ球の減少・壊死,線維素 の析出,及び好中球の浸潤が認められた(図6A,B). 腸管膜リンパ節では,被膜下に細菌塊を含む明瞭な壊死 巣を認め,好中球を主体とした細胞浸潤が認められた. 肝臓では,肝細胞の空胞変性,肝細胞索の乱れ,及び うっ血が認められた.脾臓では,壊死巣が散見され,リ ンパ球の消失により白脾髄が不明瞭であった.肝臓,腎 臓,心臓,及び肺では,菌塞栓が散見された.家兎抗サ ルモネラO4群血清(デンカ生研,東京)を用いた免疫 組織化学的染色では,肝臓,脾臓,肺,回腸及び腸間膜 リンパ節において,菌体に一致して陽性反応が認められ た.

 病原検査では,肝臓,脾臓,腎臓,心臓,肺,臍帯及 び十二指腸内容物からSalmonella O4:i:- が分離された.

 以上から,本症例は牛のサルモネラ症と診断された.

偽膜性壊死性回腸炎