馬伝染性貧血必ず定期検査受けて

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家畜
伝染病

特徴

馬伝染性貧血馬伝染性貧血ウイルス感染によって起こる病気で、馬の法定伝染病に指定されている。
貧血を伴う発熱(40~42度)が特徴。症状によって(1)発熱が持続して急死する急性型(2)発熱が繰り返し起こり(回帰熱)死亡する亜急性型(3)感染初期以降、徐々に軽度、あるいはほとんど発熱しなくなり、健康馬と全く見分けがつかない慢性型に分けられる。

感染馬は血液中にウイルスを持ち続け、生涯、治癒することはない。ウイルスは、アブやサシバエなどの吸血昆虫によって媒介される。母馬が感染した場合には子宮内感染や母乳を介して子馬が感染することもある。

1960年代までは日本各地にまん延していたが、70年代に診断法が開発され、定期検査が義務づけられてからは感染馬が激減。93年の摘発を最後に飼育馬での感染例はない。2011年に野生馬の群れで感染が確認されたが、これは検査によって初めて確認されたもので、症状は全く認められなかった。


対策

治療法はなく、ワクチンで予防することも難しい。定期的な血液検査によって感染馬を摘発し、淘汰(とうた)することが法律で定められ、清浄化が図られている。このように一見、健康そうな馬に潜んだウイルスを見逃さないよう、徹底した定期検査を続ける必要がある。

[写真:馬伝染性貧血ウイルス感染により発熱している馬。このように頭を下げていることが多い]

(動物衛生研究所 小西美佐子)

参考情報

・家畜の監視伝染病 馬伝染性貧血


情報公開日:「家畜疾病図鑑」『日本農業新聞』 2011年11月23日、14面に掲載。

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