家きんサルモネラ症ひな白痢および家きんチフス

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家畜
伝染病

鶏、あひる、七面鳥、うずら

特徴

家きんサルモネラ症家きんサルモネラ症にはひな白痢と家きんチフスがあり、鶏・あひる・七面鳥・うずらの家畜伝染病(法定伝染病)に指定されている。ひな白痢はサルモネラガリナルム生物型プローラム、家きんチフスは同生物型ガリナルムが、介卵あるいは孵化後に感染することで引き起こされる。

近年、家きんサルモネラ症は世界的に減少しているが、依然として主に開発途上国の庭先養鶏において発生が見られる。わが国では、全血急速凝集反応検査による保菌鶏の摘発淘汰が進み、ひな白痢は1975年以降激減している。また、家きんチフスはわが国での発生の報告はない。

ひな白痢は幼雛に発生が多く、介卵感染した場合はふ化直後から、ふ化後同居感染した場合は2~3日後から、いずれの場合も10日齢前後をピークに敗血症、灰白色の下痢(総排泄腔の汚れ)、元気消失、食欲低下、羽毛の逆立ち、嗜眠などの症状を呈し、死亡することが多い。介卵感染による急性例では特に症状を示さず死亡する例もある。成長につれて症状を示さなくなるが、まれに産卵低下を起こすことがある。家きんチフスも同様の症状であるが、中雛・成鶏で発生が多くなる。


対策

治療は行なわず、摘発・淘汰で拡散を防止する。種鶏群の清浄化が予防の基本で、保菌鶏の摘発には抗体検査が用いられることが多い。

[写真:全血急速凝集反応用の検査薬 : 製品(上)、陰性の反応例(左下)、陽性の反応例(右下)]

(動物衛生研究部門 西川明芳)

参考情報

・家畜の監視伝染病 家きんサルモネラ症


情報公開日:2016年10月12日

情報更新日:2021年3月15日

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