キョウチクトウ中毒木の枝や葉を家畜に与えない

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  • その他・家畜

その他

牛、水牛、めん羊、山羊

特徴

キョウチクトウ中毒キョウチクトウは、東北地方南部以南の日本全国に分布する常緑樹で、庭木や街路樹に用いられている。植物全体に心臓毒性を有するオレアンドリンが含まれており、少しの量でも摂食すれば中毒を引き起こす。キョウチクトウ中毒は人を含めすべての動物で起こる。牛や山羊などの草食動物の中毒は、剪定したキョウチクトウの枝を飼料や敷料に利用したり、飼料の牧草中にキョウチクトウの落葉が混入していた場合に発生する。ごく少量が飼料に混入した場合でも死亡に至る。

家畜は食欲不振、下痢、運動失調などの症状を示すが、いずれも特徴的ではない。聴診で心音の異常が検知されるが、急死によって気づくことが多い。


対策

有効な治療薬はなく、栄養剤、強肝剤投与により回復を待つ。キョウチクトウを摂取させないことが重要である。

キョウチクトウに限らず、剪定枝を草食動物に給与しない。雑草を飼料とする際には、周囲にキョウチクトウの植栽がないか確かめる。キョウチクトウ直下や付近の草は給与しないようにする。牧草地についても同様の注意が必要である。有毒物質は、生の植物だけでなく枯葉にも含まれるが、堆肥化すると1年程度で消失する。なお、口に入れない限り、葉や幹に触っても中毒を起こすことはない。

[写真:キョウチクトウ(夾竹桃:葉が竹に、花が桃に似ることから)]

(動物衛生研究部門 山中典子)

参考情報

・家畜中毒情報 キョウチクトウ


情報公開日:2016年7月13日

情報更新日:2021年3月15日

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