マレック病ワクチン接種で予防

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届出
伝染病

鶏、うずら

特徴

マレック病マレック病は、マレック病ウイルスの感染によって起こる鳥の病気で、鶏とうずらでは届出伝染病に指定されている。人には感染しない。

ウイルスは鳥の体内のリンパ球に感染し、リンパ腫という腫瘍を形成する。また、体の隅々まで分布する末梢(まっしょう)神経にも病変をつくり、翼の神経が侵されれば翼まひ、足の神経が侵されれば脚まひを起こす。肝臓や脾臓(ひぞう)、卵巣などにも腫瘍が形成される。

ウイルスは鶏の羽でも増殖するため、大量のウイルスが羽や、ふけとともに体外へ排せつされ、これを鶏が吸入して感染する。ウイルスは野外環境でも数カ月間は感染力を保つ。

マレック病は1907年にハンガリーで初めて報告されて以降、世界中で猛威を振るっていたが、67年に原因ウイルスが発見されてワクチンが開発された結果、発生は減少している。日本では、食鳥検査で93年から2002年にかけて年間約50万~100万羽のブロイラーがマレック病として廃棄されたが、03年以降の廃棄羽数は年間約7万~16万羽で推移している。


対策

ウイルスは野外に広く存在するため、鶏が感染しないようにすることは困難である。ワクチンを受精卵や初生びなに接種することにより、病気を予防することができる。ワクチンを接種したひなは、十分に免疫ができるまで隔離して飼育する。

[写真:マレック病にかかった鶏の体内で腫瘍化した多数のリンパ球]

(動物衛生研究所 山本佑)

参考情報

・家畜の監視伝染病 マレック病


情報公開日:「家畜疾病図鑑」『日本農業新聞』 2012年7月25日、16面に掲載。

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