キビ連植物の病害

チヂミザサの病害


斑点病(hanten-byo) Leaf spot
病原菌:Exserohilum sp.、不完全菌

イヌビエの病害


葉枯病(hagare-byo) Leaf blight
病原菌:Exserohilum monoceras (Drechsler) Leonard et Suggs、不完全菌
 北海道から九州まで広く発生する。初め紫褐色〜褐色の眼点状の小斑だが、徐々に広がり、周囲に黄色の壊死部分を伴う大型斑点となる。激発すれば株を枯死させるため、イヌビエなどヒエ属雑草の生物的除草剤として提案されている。また、病原菌をイネに前接種すれば、イネいもち病を抑制する効果がある。


黒穂病(kuroho-byo) Smut
病原菌:Moesziomyces antarcticus (Goto, Sugiy. & Iizuka) Q.M. Wang, Begerow, F.Y. Bai & Boekhout、担子菌
 北陸、関東、中部および東北地方で広く発生する。胞子堆は花器内の子房に形成され,感染花器は丸く肥大して護膜に覆われ、初めは緑色だが、後に褐色となる。大きさは直径3-4o程度で、内部には黒穂胞子(厚膜胞子)がやや凝集して形成され、粉状にはならない。無性時代Pseudozyma antarcticaは高い表面活性能力を持つため、イネ科植物の表生酵母としても分離され、エステラーゼを分泌して生分解性プラスチックを分解することで知られる。

病原菌:Ustilago trichophora (Link) Kunze、担子菌
 北海道から中国地方を含む全国で発生する。胞子堆は小穂、葉鞘あるいは稈内に形成され,感染部位は丸く肥大して護膜に覆われる。初めは緑色だが、徐々に褐色になる。大きさは直径2-3o程度で、後に表面が破れて粉状となり、内部から黒穂胞子(厚膜胞子)を露出して、飛散する。接種により激しい病徴を示し、イヌビエの生物的除草剤として提案されている。


ミイラ穂病(miiraho-byo) Black choke
病原菌:Ephelis japonica Hennings、不完全菌
 暖地で発生の多い穂枯性の糸状菌病。出穂後、穂が灰色から黒色の菌叢に覆われ、枝梗が互いに接着された状態となり、穂全体がかびる。葉には白色の菌叢が葉脈に沿って条状に現れる。病原菌はエピファイト(表生菌)として植物表面に感染し、感染植物は耐虫性を持つようになることが報告されている。

エノコログサの病害


葉枯病(hagare-byo) Leaf blight
病原菌:Cochliobolus setariae (Ito & Kurib.) Drechs. ex Dastur.、子のう菌


いもち病(imochi-byo) Blast
病原菌:Magnaporthe grisea (T.T.Hebert) Yaegashi et Udagawa (=Pyricularia grisea (Cooke) Saccardo)、子のう菌

メヒシバの病害


いもち病(imochi-byo) Blast
病原菌:Magnaporthe grisea (T.T.Hebert) Yaegashi et Udagawa (=Pyricularia grisea (Cooke) Saccardo)、子のう菌
 全国的に発生するメヒシバの代表的な病害。葉に紫褐色の周縁部を持つ中心部灰白色の楕円形〜紡錘形の病斑を形成する。病原菌はイネや牧草類にはほとんど感染しないが、トウモロコシ幼苗に寄生性を持ち、ライグラスにも病原性を示すことがある。産生する毒素ピリカラシンは、イネ科植物に強い生長阻害作用を示す。フィアロ型の小生子を形成することがある。


褐条べと病(katsujou-beto-byo) Brown stripe downy mildew
病原菌:Sclerophthora rayssiae Kenneth, Kaltin & Wahl、卵菌


黒穂病(kuroho-byo) Smut(病名未登録)
病原菌:Ustilago syntherismae (Schwein.) Peck 、担子菌
 詳細は柿嶌 眞(1982): 日本産黒穂菌類の分類学的研究.筑波大学農林学研究第1号を参照。


さび病(sabi-byo) Rust
病原菌:Puccinia oahuensis Ellis et Everhart、担子菌

アキメヒシバの病害


ミイラ穂病(miiraho-byo) Black choke
病原菌:Ephelis japonica Hennings、不完全菌
 暖地で発生の多い穂枯性の糸状菌病。出穂後、穂が灰色から黒色の菌叢に覆われ、枝梗が互いに接着された状態となり、穂全体がかびる。葉には白色の菌叢が葉脈に沿って条状に現れる。病原菌はエピファイト(表生菌)として植物表面に感染し、感染植物は耐虫性を持つようになることが報告されている。

ヌカキビの病害


いもち病(imochi-byo) Blast
病原菌:Pyricularia sp.、不完全菌

チカラシバの病害


ごま葉枯病(goma-hagare-byo) Leaf blight
病原菌:Bipolaris sacchari ?、不完全菌


小黒穂病(kokuroho-byou) Grain smut
病原菌:Anthracocystis pampara (Speg.) Q.M. Wang, F.Y. Bai, Begerow & Boekhout (=Sphacelotheca pamparum)、担子菌


ミイラ穂病(miiraho-byo) Black choke
病原菌:Ephelis japonica Hennings、不完全菌
 暖地で発生の多い穂枯性の糸状菌病。出穂後、穂が灰色から黒色の菌叢に覆われ、枝梗が互いに接着された状態となり、穂全体がかびる。葉には白色の菌叢が葉脈に沿って条状に現れる。病原菌はエンドファイトとして植物全体に感染し、感染植物は耐虫性を持つようになることが報告されている。

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