植物体全体が萎縮し、異常な形態となる糸状菌病。5〜6月頃、降雨が多く圃場が冠水するような条件で良く発生する。6〜7葉期に発生すると葉は退色して波打ち、上位葉は捻れ・肥厚により巻いたようになり、葉の展開が阻害される。罹病葉の裏面には遊走子のうが白く粉を吹いたように観察される。病原菌は鞭毛菌類で、自由水があると遊走子のうが発芽して遊走子を出し、まん延する。 |
穂に発生する糸状菌病。穂全体がかびて、黒褐色に変色する。わが国での発生の詳細は不明。 |
現在のところ栃木県でのみ発生するマイナーな糸状菌病。夏の終わりから発生し、病斑は濃赤色から紫色、円形から楕円形、長さ1ー3cm、幅0.5-1cmで、後に融合して不定形になる。特に葉の裏面の病斑上に固く突出した小黒点(柄子殻)を多数形成し、紙ヤスリのような触感がある。柄子殻内には多数の胞子があり、成熟するとこれが噴出し、風雨で飛散してまん延する。病原菌はアルファルファ茎枯病菌と近縁。 |
穂に灰白色の殻に覆われた黒穂を形成する。黒穂部分の長さは1cmにも達し、種子が長く伸びたように見える。発生後期には殻が破れて、黒い黒穂胞子を露出する。病原菌は種子伝染し、植物の発芽と共に黒穂胞子が発芽し、幼植物の生長点に感染するとされる。 |
日本では未発生だが、世界では最も被害の大きい最重要病害。幼苗から全身感染し、下葉から黄化して激しく矮化する。後に葉に葉脈に沿った白いストライプができるのが特徴で、白化した部分から葉が裂けていく。冷涼多湿条件下では、葉の裏に白いかびを生じるが、これは分生胞子(遊走子のう)であり、飛散してまん延する。 |