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ブドウ「スチューベン」の摘心方法


青森県畑作園芸試験場 果樹部
[部会名] 果樹
[分科会名]
[分類]  (1)

[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    青森県におけるブドウ「スチューベン」は垣根仕立て(改良マンソン)が主体のため「摘心」が 必須な作業である。その摘心方法は、これまで樹勢に関係なくキャンベル・アーリーにほぼ 準じて一律に指導してきた。しかし樹勢に応じてやり方を一部変えた方が果実品質や 貯蔵性に優れ、副梢の管理作業も容易なことが明らかとなった。
    1. 樹勢にかかわりなく行う事項
      1. 摘心時期は開花1週間前とする。
      2. 摘心部位は第1花穂上位5葉とする。
      3. 摘心後伸長した副梢は8〜9枚になったら再び5〜6枚で摘心し、先端の芽を残し他は 摘除する。着色始め時には葉数を一新梢当たり20〜25枚確保する。
    2. 樹勢に応じて行なう事項
      1. 樹勢が中〜強(摘心時の平均新梢が約65cm以上)の場合
        1. 副梢は上位1本を残し下位は摘除
        2. 副梢は全摘除後、発生したもの上位1本を残す
        上記2通りのうちいずれかとするが1は熟期を早め、果実品質が高まる。 2は熟期がやや遅れるため、果実品質が多少劣るが貯蔵性は高い。
      2. 弱樹勢(摘心時の平均新梢長が約65cm以下)の場合
        1. 副梢は上位2本を残して下位は摘除する。
        表1.摘心の種類と果実品質及び作業性の関係
        表2.中樹勢樹における摘心の種類と貯蔵性の関係
  2. 技術・情報の適用効果
    樹勢に応じた摘心方法により、高品質果実の生産および熟期の調整が可能 となる。
  3. 適用の範囲
    県内全域
  4. 普及指導上の留意点
    一新梢当たり1.5房の適性着果量とする。


[その他の特記事項]
研究課題名:ブドウ「スチューベン」の摘心方法
予算区分 :県単
研究期間 :平成元〜3年
発表論文等:平成元〜3年度落葉果樹試験研究成績概要集