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合成ピレスロイド剤に対する免疫抗体の作製


福島県蚕業試験場・病理化学部
[部会名] 蚕糸
[分科会名]
[分類]  (3)

[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    1. 合成ピレスロイド系殺虫剤の一つであるフェンバレレートの加水分解物および フェンバレレートと共通構造を持つ4-phenoxybenzoic acidにBSAを結合させて ハプテン抗原を調製した。
    2. 各ハプテン抗原を家兎に免役して得た2種抗血清は、寒天ゲル内二重拡散法により BSAおよびハプテン-BSA結合体と反応し、さらにスパーを形成したことから、抗血清中に 合成ピレスロイド剤に対する免疫抗体が含まれることを確認した (表1)。
    3. 2種の抗血清は、合成ピレスロイド剤のうち、免疫抗原と共通構造を持つ フェンバレレート、ペルメトリンと反応し、共通構造を持たないアレスリンとは 反応しなかった(表1)。
  2. 技術・情報の適用効果
    2種抗血清が複数の合成ピレスロイド系殺虫剤と反応することから、本抗血清を用いた 血清学的検出法の実施により、薬剤に汚染された桑葉あるいはそれを食下したカイコ から農薬を検出できる。これにより、農薬中毒を未然に防止しあるいは中毒の原因を 的確に指摘できる。
  3. 適用の範囲
    県下全域
  4. 普及指導上の留意点


[その他の特記事項]
研究課題名:免疫測定法を用いた桑葉からの農薬微量検出法の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成2年〜平成6年
発表論文等:東北蚕糸研究報告、第16号(1991)