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水稲の早生・良質新品種「秋田51号」


[要約]
水稲新品種「秋田51号」は、早生、短稈、強稈、良質の粳種である。秋田県における バランスの取れた品種構成による冷害の危険分散を図るため、平成6年度から 奨励品種に採用。
秋田県農業試験場・稲作部・水稲育種担当、水稲品種担当
[連絡先] 0188-39-2121
[部会名] 水稲
[専門]  育種
[対象]  稲類
[分類]  普及

[背景・ねらい]
秋田県では水稲品種を(1)制度別(政府米、自主流通米、他用途米)、用途別(主食用、 加工用)の需要動向および(2)冷害からの危険分散、作業労働競合の回避等を考慮した、 早・中・晩熟期別のバランスの取れた作付品種構成に誘導するため、地域別水稲作付 品種ガイドラインを策定して指導を進めている中で、「あきたこまち」、「あきた39」 の適地外作付解消に資する早生・安定多収品種が求められている。

[成果の内容・特徴]
  1. 秋田51号は、「たかねみのり」熟期の良質、多収品種を目標に昭和57年に「庄内32号」 (後の「はなの舞」)を母、「奥羽302号」を父とする組み合わせから育成された品種で、 平成6年でF13になる。
  2. 出穂期、成熟期はほぼ「たかねみのり」並の早生の早に属する粳種で、いもち病耐病性 および耐冷性が中、穂発芽性はやや難、短稈、強稈の穂数型品種である。
  3. 収量性は「たかねみのり」に比べて安定して多収であり、特に多肥条件で収量の向上が 大きい。外観品質は良好で、食味は「キヨニシキ」「たかねみのり」より優れている。
  4. 秋田県の県北地域では概ね150〜170m程度までの平坦地、県中央以南では標高200〜250m 程度までの平坦地および中山間地が適応地域で、約6000ヘクタールの作付が期待 出来る。
特性一覧表

[成果の活用面・留意点]
  1. 障害型耐冷性は「たかねみのり」より弱い。
  2. 倒伏抵抗性が強いことから、基肥は「たかねみのり」より多く、「キヨニシキ」並か それよりもやや多い程度とする。
  3. 追肥は生育栄養診断に基づき判断するが、幼穂形成期追肥をした方が、有効茎歩合を 向上させ多収になる。減数分裂期追肥は基本的に実施する。
  4. 安定多収を得るためには、出穂期から成熟期にかけての稲体の健全性(根の活性化・ 乾物重の増加)の維持が重要なので、水管理、防除等に留意する。

[その他]
研究課題名:水稲新品種育成試験、水稲奨励品種決定調査
予算区分 :県単および一般補助
研究期間 :昭和57年〜平成5年
発表論文等:水稲新品種「秋田51号」の特性、東北農業研究、第46号、1994
      水稲新品種「秋田51号」の育成、秋田県農業試験場研究報告、第35号 1995