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減農薬栽培用水稲奨励品種候補「東北IL3,4,5,8号」


[要約]
「東北IL3,4,5,8号」は、異なるいもち病真性抵抗性遺伝子を導入した「ササニシキ」 同質遺伝子系統群である。良食味米「ササニシキ」の減農薬栽培用品種として 宮城県において一部「ササニシキ」に代えて奨励品種に採用する。
宮城県農業センター・農産部・稲作科, 宮城県古川農業試験場・栽培部・作物科
[連絡先] 022-383-8119
[部会名] 水稲
[専門]  育種
[対象]  稲類
[分類]  普及

[背景・ねらい]
「ササニシキ」はいもち病抵抗性が弱いため、いもちの防除が不可欠である。特に 宮城県は稲作期間中いもち病が蔓延しやすい気候のため、いもち病の防除回数が多い 状況にある。近年、消費者からは農薬依存度軽減の要望が高まり、生産者側からも 生産コストの低減を目的とした省力防除対策が要望されている。
「東北IL系統」は、「ササニシキ」にいもち病菌の種々のレースに対応させた 真性抵抗性遺伝子を導入したものである。そのうち「3号、4号、5号及び8号」は 諸形質が「ササニシキ」と実用上同じである。県内のレース分布を把握しながら、 数系統を混合して栽培し、いもち病防除の軽減を図るものである。前述の要望に 応えるため、「ササニシキ」の一部を東北IL系統で代替えし、宮城米の一層の評価向上 と減農薬、低コスト生産に寄与することを期待し奨励するもの。

[成果の内容・特徴]
  1. いもち病真性抵抗性以外の諸特性、諸形質は「ササニシキ」に同じである (表1)。
  2. いもち病真性抵抗性遺伝子は、「3号」がPi-a,Pi-k,「4号」がPi-a,Pi-km, 「5号」がPi-a,Pi-z,「8号」がPi-ztと推定される。
  3. いもち病は省防除栽培で「ササニシキ」より明らかに発生が少ない。 (表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 普及見込み地帯は宮城県の「ササニシキ」栽培地帯である。
  2. いもち病防除以外の基本的栽培法は「ササニシキ」に同じである。いもち病防除は 菌レース分布に即し必要に応じて行う。
  3. 菌レース分布に基づき混合された採種圃産種子を使用し、自家採取種子は使用しない。

[その他]
研究課題名:水稲奨励品種決定調査
予算区分 :国庫
研究期間 :平成5年度
発表論文等: