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平成5年水稲冷害の青森県における穂孕期の気温と不稔発生との関係


[要約]
青森県内のアメダス設置地点で、出穂直前に圃場より株上げして不稔歩合を調査した ところ、出穂前30日から11日の20日間の平均気温と密接な関係がみられた。
青森県農業試験場・稲作部
[連絡先] 0172-52-4396
[部会名] 水稲
[専門]  栽培
[対象]  水稲
[分類]  指導

[背景・ねらい]
青森県では穂孕期の低温による障害不稔を予測する場合、昭和57、63年冷害のデータから 穂孕期の5日または10日間の気温を用いることが多かったが、幼穂形成期前〜出穂直前 まで長期間低温が続いた平成5年の場合は、予測精度が低かった。そこで、場内において 「むつほまれ」(耐冷性「中」)を用いて、幼穂形成期以降定期的に株上げ・保温を行い、 幼穂長、不稔歩合を調査するとともに、県内のアメダス設置地点に作付けされた 「むつほまれ」を出穂直前に株上げし、その後温室で育成した材料について不稔歩合を 調査し、穂孕期の気温から不稔歩合の測定が可能であるかについて検討を行った。

[成果の内容・特徴]
  1. 場内において、出穂前28日(幼穂形成期後4日)までに株上げしたものはほとんど不稔が 発生せず、それ以降に株上げしたものについては、幼穂が伸長するに従い不稔が多くなる 傾向がみられた。また、出穂前11日頃(葉耳間長+4cm前後)になると幼穂の伸長は ほとんど終了し、不稔発生もそれ以上増加しなかった (図1)。
  2. このことから、不稔発生には出穂前30日から11日の20日間の気温が影響しているものと 考えられたので、この期間の平均気温と不稔歩合との関係を見たところ図2のような 予測式が得られた(図2)。
  3. 最高気温や最低気温を用いた場合は予測精度がやや低下し、また、気温の算出期間を 20日間より短くしても精度が低下した(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. この予測式は、幼穂形成期以降出穂直前までの長期間低温が続いた場合に有効で、 短期間の低温や、開花期が低温であった場合は利用できない。
  2. 品種、施肥量、水管理等によっても不稔発生が変動することを念頭に置いてこの 予測式を利用する。

[その他]
研究課題名:水稲の作況と生育診断に関する試験
予算区分 :県単
研究期間 :平成5年度
発表論文等:内容の一部を東北農業研究、47号(1994)に発表予定