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単粒水分計を利用した障害不稔籾の簡易判別法


[要約]
障害不稔調査は肉眼判別によって行われており、労力を要する作業であるが籾水分を 単粒水分計測定することにより、稔実籾と不稔籾を簡便に判別することが可能である。
宮城県古川農業試験場・栽培部作物科・環境科
[連絡先] 0229-22-0148
[部会名] 水稲
[専門]  栽培
[対象]  稲類
[分類]  指導

[背景・ねらい]
水稲の障害不稔調査は従来から透視板で籾を1粒ずつ肉眼判別し、稔実粒と不稔粒とに 分類して計粒しており、労力をかなり多く要していた。
そこで、最近市販された籾水分を粒単位で測定可能な単粒水分計を利用して稔実籾と 不稔籾の簡便な調査法について検討した。

[成果の内容・特徴]
穂から脱粒した籾の水分を単粒水分計(静岡精機製CTR800E)で測定したところ、稔実籾と 不稔籾は籾の水分差によって識別でき、不稔調査の簡略化に役立つことが分かった。 測定方法は次のとおりである。
  1. 出穂後20日頃の穂を採穂し、籾を1粒ずつ分離して単粒水分計で水分を測定する。
  2. 測定機から出力される水分の頻度分布データから、稔実した比較的水分の多い籾と 不稔のため水分の少ない籾とに容易に識別でき、それぞれの粒数から不稔歩合を 算出する。
  3. 「ササニシキ」および 「ひとめぼれ」の場合、両品種とも出穂後20〜25日目で判別できる水分の値は 26.0%で、判別精度は97%以上である。
  4. 判別速度は籾を測定機に入れてから結果が印字されるまで1穂(100粒)当たり約100秒を 要し、熟練した人手により透視板上で判別する場合(150秒/100粒)より測定時間が 約3割程度短縮可能である。

[成果の活用面・留意点]
  1. 出穂後の日数が20日より早すぎても25日より遅すぎても、稔実粒と不稔粒の乾燥速度の 差異により水分関係が変化し判別が困難となる。
  2. 水分が26.0%より低い籾でも籾重が100mg/10粒を越えるものがあり、稔実籾がある。 (判別精度97%、測定誤差2〜2.5%)
  3. 水分が高い籾や水分の高い偽稔籾や発育停止籾は稔実と判定される。

[その他]
研究課題名:県北部稲作地帯における安定多収栽培技術の確立
      2) 水稲の生育観測  3) 被害解析
予算区分 :県単
研究期間 :平成5年度(平成元年〜5年)
発表論文等: