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液肥潅注による水稲箱育苗の省力施肥法


[要約]
液肥・薬剤同時潅注による育苗によって施肥の省力化が図られた。なお、試作した 液肥用肥料は実用性が高い。
青森県農業試験場・化学部
[連絡先] 0172-52-4311
[部会名] 生産環境
[専門]  肥料
[対象]  水稲
[分類]  指導

[背景・ねらい]
水稲の箱育苗の施肥は、床土に粉状肥料をミキサー等で混和する方法が一般的で あるが、育苗の播種作業体系に占める労力的割合が大きい。
そこで、箱育苗での施肥及び薬剤施用の省力化を図るため、液肥・薬剤同時潅注に よる育苗法を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 潅注法による肥料の散布ムラは、高濃度の液肥を少量で潅注(0.1リットル/箱)する方式 では慣行に比較して大きかったが、低濃度の液肥を潅水を兼ねて潅注(1リットル/箱) する方式では慣行以上に肥料の散布が均一であった (表1)。
  2. 高濃度の液肥を少量で潅注(0.1リットル/箱)する方式では慣行に比較してやや苗揃いが 劣るものの、実用上問題はなく、低濃度の液肥を潅水を兼ねて潅注(1リットル/箱)する 方式では、慣行以上に苗揃いが良好であった (表1)。
  3. 野菜用等のpHが高い液肥(市販品)では潅注後の床土のpHを極端に上昇させるため 育苗上問題があった。そのため、箱育苗用の肥料を試作したところ、潅注後の床土の pH、ECは、全育苗期間を通じて慣行とほぼ同様に推移した (表2)。
    水稲箱育苗用に試作した液肥用肥料
  4. 試作した液肥の施肥量(成分)は慣行と同量でよく、多少潅注量がふれても苗質への 影響はほとんど認められなかった(表2)。
  5. 潅注時に試作した液肥と薬剤を混用しても、薬剤の防除効果、薬害等の問題はなかった (表3)。

[成果の活用面・留意点]
水稲箱育苗の施肥の省力化が図られる。
高濃度の液肥を調整する場合、水では肥料が溶解しにくいので、温湯で溶かす。

[その他]
研究課題名:液肥による育苗技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成4〜5年
発表論文等:液肥潅注による水稲箱育苗の省力施肥法、東北農業研究、第46号、1993