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施設花きの施肥診断指標


[要約]
施設花きの窒素、リン酸の施肥量を求めるさいの診断指標を設定した。 (1)電気伝導度(EC)が0.4mS/cm以上の土壌では、 窒素を施用しない。 (2)連続利用年数が5年以上の施設では、リン酸を施用しない。
秋田県農業試験場・環境部・土壌保全担当
[連絡先] 0188-39-2121
[部会名] 生産環境 野菜・花き
[専門]  肥料
[対象]  花き類
[分類]  普及

[背景・ねらい]
(1)県内の施設の土壌には、リン酸、カリウム及び窒素などが集積していること、 (2)土壌に窒素やリン酸が著しく多いと、花き類の生育は不良になること、 (3)花き類の養分吸収量は、作目に関係なく、窒素1〜2、リン酸0.3〜0.6、 カリウム2〜3kg/a程度であり、 (4)窒素を100とすると、リン酸約30、カリウム約200の比率であることを指摘してきた。 そこで、施設花きの施肥量を求めるさいの土壌の簡易な診断指標について検討した。

[成果の内容・特徴]
摂取した土壌の分析から、土壌中に残存する窒素、リン酸量を把握することができ、
  1. 深さ40cmまで土壌を採取した場合、電気伝導度(EC)が、0.4mS/cm以上では、 窒素を施用しない。
    ECが0.4mS/cmの時、土壌中に3kg/a程度の窒素があると推定される (図1) ので、窒素無施用で栽培できる。また、ECが0.2以上では標準窒素量の 半分量程度の施肥に抑え、0.2以下では標準窒素量を施肥する。
  2. 利用年数5年以上の施設では、リン酸を施用しない。 利用年数が5年以上の施設の土壌では、可給態リン酸が10kg/a程度と推定され (図2) 水溶態リン酸も1kg/a程度に達している (図3)ので、 リン酸を施用する必要はない。

[成果の活用面・留意点]
  1. 堆きゅう肥の施用に当たっては、窒素、リン酸、カリウム含量を考慮に入れる。
  2. 土壌の深さ20cmで診断した時には、EC 0.6mS/cm以上では窒素を施用しないとなる。

[その他]
研究課題名:環境保全型栽培基準設定調査(I類型) 施設花きの施肥法改善及び土壌管理
予算区分 :一般補助
研究期間 :平成5年度(平成3〜5年)
発表論文等:根域土壌窒素量とカーネーションの生育反応  東北農業研究45,311-312
            施設花き土壌の実態と改良対策  秋田農試研究時報31,18-23(1992)