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水稲の育苗箱内窒素全量基肥技術


[要約]
水稲育苗時に窒素成分で速効性肥料1g/箱とシグモイドタイプの 被覆尿素(LPS100)300g/箱を施用(全量基肥)することで、 育苗時の追肥と本田の施肥が省略できる。はえぬきで10a当たり550〜580kg の収量が得られる。
山形県立農業試験場・化学部
[連絡先] 0236-44-5571
[部会名] 生産環境
[専門]  肥料
[対象]  稲類
[分類]  指導

[背景・ねらい]
米作りの多様化にともない、農家の施肥技術に対する要望も変化してきた。 現在、水稲に対する施肥は育苗期と本田が別々の体系で行われている。 そこで、より省カ化を図るために、苗箱に本田で必要とする窒素成分の全量を 施用し、育苗期、本田期を通して肥効を持焼させる施肥体系を試みた。

[成果の内容・特徴]
  1. 育苗時に、箱当たりN成分で1g(速効性肥料)+300g(シグモイド 100日タイプの被覆尿素:LPS100)を施用することにより、育苗期の追肥が省 略でき、健苗ができる。
  2. 接触施肥で施肥利用率が高まるため、本田施肥窒素相当量の箱施肥で、 慣行並(550〜580kg/10a)の収量が得られる。
  3. 初期生育が取りにくい地域では6月の生育量が不足するので、 N成分で2kg/10aを全層施肥する体系とする。りん酸、カリは本田施用とする。
    (例:大豆化成40kg/10a)
  4. 10a当たりの苗箱数は23箱前後とする。
表1 育苗箱内の施肥量と苗の生育
表2 本田での生育
図1 育苗箱全量基肥における水稲の窒素吸収経過

[成果の活用面・留意点]
  1. 県内平坦地のはえぬきに適用し、土づくりを徹底する。
  2. 田植え時の10a当たり箱数で施肥量が変化するので留意する。
  3. 育苗床土と被覆肥料の混合時には、被覆膜を傷つけないように注意する。

[その他]
研究課題名:被覆肥料の多面的な利用技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :平成5年度(平成4〜5年)
発表論文等:なし