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水田からのメタン発生を軽減するための稲わらの鋤込み法
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[要約水田からのメタン発生量は、稲わらの秋鋤込み処理により、
春施用春鋤込み処理に比べ約80%減少し、さらに石灰窒素の併用により
約90%減少した。したがってメタン発生を軽滅するためには秋鋤込みが重要である。
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福島県農業試験場・農芸化学部・土壌管理研究室
[連絡先] 0249-32-7787
[部会名] 生産環境
[専門] 土壌
[対象] 水稲
[分類] 指導
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[背景・ねらい]
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水田から発生するメタンの主要な供給源は有機物である。
メタンの発生は、堆肥施用では少ないが、
稲わら等の新鮮な有機物の施用により著しく増大する。
コンバインによる収穫後の稲わらは、ほ場に施用されることが一般的になっている。そこで、稲わらの鋤込み時期や腐熟促進剤施用がメタン発生におよぽす
影響を検討し、軽減方策のための参考資料とする。
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[成果の内容・特徴]
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- ガス採取と発生量の算出は、
八木らの方法(クローズドチヤンバー法)で行なった。
- 平成4年に福島農試内のほ場で、
稲わら600kg/10a相当量を15cm〜20cmに切断し、
ほ場に均一になるように施用した。稲わらの鋤込み時期は、
秋期11月18日、春期4月19日とした。耕法は、ロタリ−(耕深13cm)とした。
- メタン発生のピークは、春鋤込み区が7月に、秋鋤込み区が8月にみられ、
鋤込み時期で異なった。これは、稲わらの腐熟程度との関連が考えられた。
(図1)
- 各区の水稲生育期間中のメタン発生量(gCH4/m2)は、
稲わら無施用区:2.8、秋鋤込み区+石灰窒素区:3.3、
秋鋤込み区:6.2、秋表面施用春鋤込み区:10.9、
春施用春鋤込み区:30.3であった。
(表1)
- メタンの発生量をみると、秋表面施用春鋤込み区は、
春施用春鋤込み区に比し約60減少した。また秋鋤込み区は、
春施用春鋤込み区に比べ約80%減少し、さらに石灰
窒素を併用することにより約90%減少した。
(表1)
- 従来から行なわれていた稲わらの秋鋤込み処理は、
メタン発生の軽減にも有効であった。
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[成果の活用面・留意点]
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稲わらを秋のなるベく早い時期に腐熟促進剤を併用させ鋤込む方法は、翌年の稲の
生脊だけでなく、メタン発生を最小限にするためにも重要な技術である。
[その他]
研究課題名:耕地土壌におけるメタンの発生動態と発生制御技術の確立 等
予算区分 :国、県
研究期間 :平成5年度(平成3年〜6年)
発表論文等:1994年 CH4 & N2O Workship 講演
1994年 日本土壌肥料学会講演