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エンバクAvena Strigosaのキタネグサレセンチュウ密度低減効果と利用技術


[要約]
エンバクAvena strigosaの栽培は、キタネグサレセンチュウ密度を5〜25頭/生土 30g程度にする密度低減効果がある。エンバクAvena strigosaは低温発芽性や 初期生育に優れ、作業性もよく、圃場の線虫密度を低く維持する輪作作物として 効率的に導入できる。
岩手県立農業試験場・環境部・県北分場
[連絡先] 019-688-4134
[部会名] 生産環境・畑作物・高収益畑輪作
[専門]  作物虫害
[対象]  根菜類
[分類]  普及

[背景・ねらい]
ダイコンを加害するキタネグサレセンチュウの密度低減に関して、 エンバクAvena strigosa(商品名:ヘイオーツ)の有用性が見いだされ、 実用上の利点が評価されている(北海道)。この密度低減効果について、 従来から効果の認められているマリーゴ−ルドやギニアグラスと比較検討し、 本県における栽培法及び導入条件を明らかする。

[成果の内容・特徴]
  1. エンバクAvena strigosaは、2〜3ケ月の栽培によって ネグサレセンチュウ密度を5〜25頭/生土30g程度まで低下させ、 その効異はマリーゴールドとギニアグラスの中間程度である。しかし、 低温発芽性や初期生育に優れるため雑草害等を受けにくく、 安定した効果がある( 図1表1表2)。
  2. 播種作業は、5月上旬〜8月下句に、10a当たり8〜15kgの種子を、 散播しロータリ・ディスクハロー等で軽く覆土・鎮圧して行う。 播種からすき込みまで2〜 3ケ月の短期間に草丈100cm以上、 地上部乾物重0.5t/10a以上の生育量を確保でき、 ダイコンの前後作として導入できる (表3)

[成果の活用面・留意点]
  1. 輪作体系の一環に予防的に導入することによって、 圃場のネグサレセンチュウ密度を低く維持する。 残効はほとんどないため、 だいこん等線虫被害の生じやすい根菜類の前作として計画的に活用する。
  2. ネグサレセンチュウを完全に防除するわけではないので、 エンバクAvena strigosa作付前の密度が極めて高い場合 (100頭/生土30g以上)には、ダイコン作付前に線虫密度を確認し、 薬剤施用を検討する必要がある(平成2年度東北地域新しい技術(132)参照)。
  3. すき込み後は、後作まで20日以上の腐熟期間を見込む。
  4. 乾物重1t/10a以上の多収条件や出穂期以降のすき込みの場合は、 窒素肥料の施用 (成分量2kg/10a程度)を検討する。

[その他]
研究課題名:天敵等生物機能を組み入れた土壌線虫の制御技術の開発 他
予算区分 :国(高収益畑輪作)、県
研究期間 :平成5年(平成4〜6年)
発表論文等:未発表