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イネドロオイムシのPHC剤に対する抵抗性発達事例


[要約]
宮城県においてPHC剤に対して高度の薬剤抵抗性が発達したイネドロオイムシ の個体群が確認された。薬剤感受性は、同一地点から採集した成虫であれぱ日齢 や越冬前・越冬後に関わらずほとんど変化しない。しかし、 数km範囲内でも採集地点が違えば感受性には大きな変化が認められた。
宮城県農業センター・作物保護部・病害虫科
[連絡先] 022-382-8125
[部会名] 生産環境
[専門]  作物虫害
[対象]  昆虫類
[分類]  指導

[背景・ねらい]
最近、全国の数ヶ所からカーバメート系または有機リン系の殺虫剤に対して、 高度に抵抗性を発達させたイネドロオイムシ(イネクビボソハムシ) の個体群が確認されている。宮城県においては、 とくにPHC(サンサイド)剤の使用量が多くまた使用歴も長いことから、 薬剤感受性が変化していないかどうかを同剤の使用歴の長い地域において成虫を 用い検定した。併せて、今後調査を進めるための基礎資料を得る目的で、 日齢、越冬前後、雌雄などの成虫条件の違いが感受性に影響するかどうかを調べた。

[成果の内容・特徴]
  1. PHC剤の使用歴の長い同一地域内の複数地点から、 同剤に対して高度に抵抗性が発達(=感受性が著しく低下)した集団が確認された ( 図1図2)。
  2. しかし、数km程度の範囲内でも感愛性の極めて高い集団と、 著しく低下した集団が存在していたことから、 ある地点の集団で確認した感受性の結果は、 あまり広い地域を代表するサンプルとして扱うことはできないと考えられる (図2)
  3. 成虫の日齢、越冬前後、雌椎による感受性の違いは小さかった (図1)。 このことから以上の条件が異なる成虫を用いても、 検定結果に大きな影響は与えないことが明らかになった。

[成果の活用面・留意点]
PHC剤の使用歴が長い地城においては、従来と同程度の防除効果があるかどうかを よく観察し、効果低減が疑われる場合には他剤への変更について検討する。 しかし、感受性の低下は局部的に発生する可能性があるので、 効果確認の結果をあまり広域的に適用しないよう注意する。

[その他]
研究課題名:害虫の発生生態と防除
            害虫の葉剤抵抗性
予算区分 :県単
研究期間 :平成5年(平成元年〜平成5年)
発表論文等:イネドロオイムシ成虫の局所施用法による薬剤感受性の
            検定方法について          北日本病害虫研究会報45 投稿中