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平成5年産水稲種子の特質と種子消毒を中心とした育苗期病害の防除対策


[要約]
平成5年産水稲種子は、発芽率が劣るほか、割れ籾、褐変籾が多く、 苗立枯病の多発が予想される、防除対策としては、塩水選を必ず行い、 チウラム・ベノミル水和剤の0.5%湿粉衣で種子消毒する。
岩手県立農業試験場環境部・技術部
[連絡先] 019-688-4134
[部会名] 生産環境
[専門]  作物病害
[対象]  稲類
[分類]  普及

[背景・ねらい]
平成5年の水稲は、作況指数30という凶作となり、出穂、登熟も阻害され、 未熟粒や着色粒が発生して品質が低下した、このため平成6年度使用する 種子が不足するとともに、品質の劣る種籾の使用が予想される。 そこで、平成5年産種子の特質を明らかにしそれに対応する種子消毒を 中心とした育苗期病害の防除対策について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 平成5年産種子の特質と病害の発生
    5年産種子は各品種ともに籾が小さく不稔歩合も高いため、 割れ籾、褐変籾が多い (表1)。 種子の発芽勢が悪く、病原菌による種子汚染及び割れ籾の混入等による発病助長に よって、苗立枯病(トリコデルマ属菌、リゾプス属菌、フザリウム属菌)の 多発が予想される。
  2. 防除対策
    1. 塩水選(比重:うるち 1.13、もち 1.08)は必ず実施する。 塩水選をすることにより、不良種子が除去され発芽勢が向上するとともに、 種子消毒効果が高まる。
    2. 種子消毒は必ず実施する。収支消毒方法として、苗立枯病に対する防除効果が 他剤に比較しすぐれるチウラム・ベノミル水和剤の0.5%湿粉衣が適する。 特に割れ籾、イプコナゾール水和剤等)より消毒効果がすぐれる( 表2図1)。
    3. 種子消毒以外の苗立枯病対策として、 TPN水和剤(1,000倍液0.5リットル/箱)の播種時かん注及び ヒドロキシイソキサゾール・メタラキシル剤の土壌処理、 またはかん注処理を行う、さらに、緑化期以降、トリコデルマ属菌、 リゾプス属菌の多発生が認められる場合は、薬剤をかん注する (表3)

[成果の活用面・留意点]
  1. 平成6年度の育苗期病害の防止対策に活用できる。
  2. 自家採取種子等で、ばか苗病の多発生が予測される場合は、EBI剤を使用する。 なおこの場合、苗立枯病の発生に注意し、苗立枯病対策を実施する。

[その他]
研究課題名:水稲種子消毒法の改善
予算区分 :県
研究期間 :平成5年
発表論文等:1993年産水稲種子の特質と種子消毒対策、
                            北日本病害虫研究会報第45号、1994(投稿中)