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福島県で発生したトマト条斑病の病原ウイルスと弱毒ウイルス利用による防除


[要約]
福島県内のTMV(タバコモザイクウイルス)抵抗性トマトに発生した 条斑病の顕著な症状は、モザイク果とえそ果であった。 いづれからもTMVが分離されたがモザイク果からの分離株はTMV普通系、 えそ果からの分離株はTMVトマト系と考えられた。 モザイク果は、TMV弱毒ウイルス L11Aの前接種により防除できた。
福島県農業試験場・病理昆虫部・病害研究室
[連絡先] 0249-32-3020
[部会名] 生産環境
[専門]  作物病害
[対象]  果菜類
[分類]  研究

[背景・ねらい]
1990年頃から福島県内のTMV抵抗性トマトに発生した条斑病の病原と 弱毒ウイルス利用による防除を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 条斑病は夏秋栽培のTMV抵抗性トマトに発生した。 主として症状は果実に現れ、顕著な症状はモザイク果とえそ果であった。 いずれも発生株の茎葉に顕著な異常は見られなかった。
  2. モザイク果はTMV抵抗性因子Tm/+の品種に発生し、 えそ果はTMV抵抗性因子Tm/+とTm2a+の品種に発生しだが、 両症状の同一株での混発は確認されなかった。
  3. モザイク果とえそ果からはともにTMVが分離された。 それぞれの分離TMVについて検定植物の反応や血清反応結果から 系統を検討した結果、モザイク果からの分離株はTMV普通系、 えそ果からの分離株はTMVトマト系と考えられた (表1)
  4. モザイク果は接種により症状が再現された。
  5. モザイク異についてTMV弱毒ウイルスL11A の前接種による防除を検討した結果、 本弱毒ウイルスは、TMV抵抗性因子Tm/+を持つ品種に容易に感染し、 高い防除効果を示した (表2)

[成果の活用面・留意点]
TMV弱毒ウイルスL11Aは、TMV抵抗性囚子Tm2、 Tm2aをもつ品種にえそ斑を生じ生育を阻害するので使用しない。

[その他]
研究課題名:トマトウイルス病防除試験
予算区分 :県単
研究期間 :平成5年度
発表論文等:タバコモザイクウイルス(TMV)によるトマト果実条斑病と
                  ウイルス利用による防除   日植病報59:324