研究所トップ研究成果情報平成5年度

飼料用エチルアルコール利用による低水分ラップサイレージ調製技術


[要約]
エチルアルコール添加処理によりラップサイレージのカビ発生が少なく高品 質で、不快臭がまったくなく芳香性に優れ、飼料給与作業も快適に行える。また乳牛 では採食性が極めて良く、体重の回復と泌乳の持続性が良い傾向にある。
岩手県畜産試験場・飼料機械部
[連絡先] 019-688-4317
[部会名] 畜産(草地)
[専門]  加工調整
[対象]  牧草類
[分類]  普及

[背景・ねらい]
ベールラッパを利用した収穫調製は作業性が高いが、およそ水分20〜40%域では サイレージ発酵に適せずカビ発生が見られ問題がある。このため、牧草収穫調製時の 水分20〜40%域でのカビ防止技術を確立し、収穫調製作業推進の円滑化と確実な 良質粗飼料確保を目的としてアルコール添加処理を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 処理に適する牧草水分は、およそ40%以下で、現物量の2%添加で効果を十分期待 できる。(表1)
  2. 梱包時に噴霧処理する装置を試作し、処理作業を効率的に実施できた。なお、均一処理 はできないが、密封後に注入しても高い効果を期待できる。 (表1)
  3. 処理飼料はカビ発生が少なくVBN/T-N率も低く高品質で、不快臭がまったく なく芳香性に優れ、軽量で畜舎における飼料給与作業も快適に行える。 (表1)(表2)
  4. 家畜の採食性が極めて良く、体重の回復と泌乳の持続性も良いが、乳肪率と乳蛋白 には特に差を認めない。 (表3)(表4)
  5. 牧草の水分20〜40%域で作業が可能なため収穫に適する作業日が拡大し、作業推進の 円滑化を期待できる。開封後の二次発酵防止効果は特に認められない。

[成果の活用面・留意点]
  1. 搾乳前の処理飼料給与では、牛乳にアルコールの検出がありうるので搾乳前5時間以内 は給与しないこと。また、体重1kg当り2.0mlの搾取では、実用的に悪影響ないが、 3.0ml以上では酩酊状態に陥るとされているので留意すること。
  2. アルコールの購入は、自家消費でもアルコール添加飼料製造業者の認定を受ける 必要がある ので通商産業局の工業用アルコール売渡承認を受けること。
  3. アルコールは消防法の適用をうけるので、使用と貯蔵には十分留意すること。

[その他]
研究課題名:ベールラッパ利用による耐天候型半乾燥収穫調製技術の確立
            1)飼料用エチルあるコール添加処理によるカビ防止技術
予算区分 :県単
研究期間 :平成3〜5年
発表論文等:なし