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牧草地・野草地・林地の組み合わせによる放牧期間の延長とササの永年利用


[要約]
黒毛和種の放牧期間延長のため、牧草地・野草地・林地を組み合わせた放牧 地の利用について農家規模で検討したところ、慣行に比べ約50日の延長ができた。 また、野草他のササは場所により収量や草勢にかなりの開きがあるが、永年利用のた めには40〜100CDの放牧圧が適正であると考案された。
岩手県畜産試験場 外山分場
[連絡先] 019-681-5011
[部会名] 畜産(草地)
[専門]  飼育管理
[対象]  牧草類・家畜類
[分類]  研究

[背景・ねらい]
牛肉の輸入自由化攻勢による価格の低迷は、乳オス、日本短角種だけでなく熊毛和種 にまで影響を及ぼし、子牛市場価格は年々下落している。このため、従前にもまして、 低コストで子牛を生産することが求められている。
そこで、低コスト化の一手法として、牧草地・野草地・林地の組み合わせ利用による 放牧期間延長とササの永年利用について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 供試家畜   黒毛和種成雌牛(子付き)
  2. 組合せ放牧他の設定

    夏は野草地に放牧することで秋の備蓄草地が確保でき、初冬は林地に放牧することで 放牧期間延長ができる。なお、放牧地はイネ科主体の混播草地で、野草地、林地の ササはクマイザサである。
  3. 安定利用のための適正放牧圧
      野草地;40〜100C D/ha、林地;20〜30CD/ha
  4. 家畜の増体量
      初冬の林内ササ放牧においても、成牛の体重は維持できる。
      子牛のDGは、0.7kg程度は期待できる。

[成果の活用面・留意点]
  1. 山間地の繁殖農家、一貫経営農家及び公共牧場に有効である。
  2. ササは、日当たりが良く生育が旺盛なところでは100CDの利用にも耐え得るが、 日陰や林内では40CDでも衰退の傾向がみられるので、植生を見ながら放牧圧を調整す ること。また、子牛の晩秋放牧はDGの低下をもたらすので、草生状態を見て離乳、退牧 させること。

[その他]
研究課題名:放牧による肥育素牛の低コスト育成技術の開発
            3. 牧草地・野草地・林地の組み合わせ利用技術と家畜の生産性
予算区分 :国庫
研究期間 :平成5年(平成元〜5年度)
発表論文等:なし