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ペレニアルライグラス高密度播種によるエゾノギシギシの定着抑制


[要約]
エゾノギシギシの種子に汚染された草地の更新において、ペレニアルライグラスの 播種量を1.000g/aとする高密度播種により、更新初期に発生するエゾノギシギシ実生の 定着を抑圧できる。
東北農業試験場・草地部・草地管理研究室
[連絡先] 019-643-3562
[部会名] 畜産(草地)
[専門]  栽培
[対象]  牧草地
[分類]  研究

[背景・ねらい]
エゾノギシギシが繁茂し草生の劣化した衰退草地では更新が急務となっているが、 通常の更新法では牧草播種直後よりエゾノギシギシが埋土種子から再発生し、 汚染をかえって助長する懸念がある。そこで、牧草の高密度播種による密度効果を 利用し、更新初期に発生するエゾノギシギシ実生の定着を生態的に抑圧する更新法を 開発する。

[成果の内容・特徴]
ペレニアルライグラス(Pe)の播種量の異なる3処理区:Pe300g/a区、Pe600g/a区、 Pe1.000g/区、対照区としてオーチャードグラス(Or)600g/a区および混播区 (pelOOg+Or150g+トールフェスク50g+レッドトップ20g+ケンタッキーブルーグラス 50g+シロクローバ20g/a)を9月上旬に設定した。各区にはエゾノギシギシ (播種量50g/a)を同時に播種した。その後のエゾノギシギシの個体密度、生育量を 調査した。
  1. 牧草の定着期(牧草播種から播種翌春の牧草の利用開始まで)において、Peの播種量が 1.000g/aの高密度播種区では、牧草播種後に発生したエゾノギシギシの実生個体の 密度が大きく減少した(図1)。
  2. 翌春の牧草の利用期以降においても、Peの高密度播種区ではエゾノギシギシの個体密度 は低く経過し(図1)、一方、牧草の個体密度は高く 維持された(表1)。
  3. エゾノギシギシの生育量はPeの高密度播種区で少なく、草量全体に占めるその割合 (重量群落比)も小さかった(表1)。
  4. Peとの地上部競争が地下部競争よりエゾノギシギシの初期生育に強く影響した (表2)。エゾノギシギシの初期生育は、Pe群落下に おいては地上部の光競争によって抑えられ、さらに、地下部における養水分の競争が 加わり、いっそう抑制されると考えられた。

[成果の活用面・留意点]
  1. エゾノギシギシ汚染草地の更新技術あるいはエゾノギシギシ多発地の部分更新技術技術 として参考になる。
  2. 更新翌春は利用開始が遅れないようにし、Peの過繁茂を避ける。

[その他]
研究課題名:雑草汚染草地の更新法
予算区分 :経常
研究期間 :平成5年度(平成2〜4年)
発表論文等:M.Nashiki, R.Meguro and T.Suyama(1993):Control of Rumex obtusifolius L. by
            manipulating grass seeding rate for re-establishment of pasture. Proceedings of the
            XVII IGC (in press).