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ぶどう新品種「ブラック・アイ」


[要約]
「ブラック・アイ」は、「巨峰」の自然交雑実生より選抜、育成された品種 であり、「巨峰」に比べて花振るいが少なく、収穫期は約1か月早く、果実品質も 良好な品種である。
青森県畑作園芸試験場・果樹部
[連絡先] 0178-62-4111
[部会名] 果樹
[専門]  育種
[対象]  果樹類
[分類]  指導

[背景・ねらい]
近年、ぶどうに対する消費者の嗜好は高糖度、大粒系品種へ移ってきている。青森県の 場合、大粒系品種の栽培はハウス栽培を前提に行なわれているが、「巨峰」は年により 花振るいが多く、果実品質にもブレがみられ安定生産は難しいものとなっている。
そこで本品種の特性について調査した結果、「巨峰」に比べて花振るいが少なく早期に 収穫ができ、果実品質も良好であることが明らかとなった。 今後は県の試作品種として増殖を図る予定である。

[成果の内容・特徴]
  1. 来歴
    青森県三戸郡南部町の沖四兼一氏が、昭和50年頃「巨峰」の自然交雑実生より選抜、 育成した品種である。当場には「沖田1号」として昭和58年に導入された。
  2. 特性
    ア、樹勢は中位であり「巨峰」より弱い。枝梢の太さは中位、熟梢の色は 赤褐色である。
    イ、花振るい性は中程度であり、「巨峰」よりも少ない。
    ウ、果房は円筒〜円錐形で、粒着はやや粗である。果粒は円〜短楕円形、果皮は紫黒色 で、着色は容易である。果房重は約300g、果粒量は約11gで、ともに「巨峰」並 である。
    エ、果皮は厚く、剥皮はやや困難であり、果肉特性は中間、果肉の硬さは やや軟である。
    糖度は約18%と高く、酸の抜けが良い。香気はフォクシーで食味は良好である。
    オ、裂果及び脱粒は少ない。
    カ、ハウス栽培(無加温)での収穫期は「巨峰」よりも約1か月早く、当場(五戸)で は9月中〜下旬頃である。

[成果の活用面・留意点]
  1. ハウス栽培(無加温)とし、栽培法は慣行のハウス栽培に準じて行なう。
  2. 仕立法は改良マンソン仕立とし、栽植距離は2.5×7.0m(57本/10a)とする。
  3. 剪定は長梢剪定とし、整枝は一文字両側整枝とする。
  4. 摘心は第1花穂上位4〜5葉で行ない、副梢は上位1本を残す。

[その他]
研究課題名:ぶどうのハウス向き品種の選定
予算区分 :県単
研究期間 :平成5年度(昭和53年〜)
発表論文等:なし