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秋基肥方式によるわい性台リンゴ樹の果実品質向上


[要約]
わい性台リンゴ樹において窒素を9月に全量施用する秋基肥方式は、春基肥 (3月)に比べ、樹体の生育や収量は変わらないものの、葉中窒素が低く、新梢の 停止時期が早いことなどにより、果実の肥大や着色が優り、果実品質が向上した。
福島県果樹試験場・栽培部・土壌肥料研究室
[連絡先] 0245-42-4191
[部会名] 果樹
[専門]  肥料
[対象]  りんご
[分類]  普及

[背景・ねらい]
窒素を秋に施用する秋基肥方式は、マルバ台‘ふじ’においては、従来法の春施肥法に 比べて、着色良好果や蜜入り果が増えるなど、果実品質を向上させることを明らかに し、高品質かつ多収のための施肥技術として定着しつつある。しかし、樹体が小さく、 根域も狭いわい性台のリンゴ樹は、マルバ台とは異なる施肥反応を示すことも考えられ るため、M.26台の4×2.5m植え‘つがる’及び‘ふじ’を用いて、8〜15年生までの 8年間、秋基肥方式の効果を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 窒素の秋基肥(9月中旬)では、春基肥(3月中旬)と比較し、幹周や新梢長などの樹体の 生育と収量には差がほとんどないものの、秋基肥区の方が新梢の停止時期が早く、 集中窒素含量が少ない傾向が認められた (表1)。
  2. 秋基肥区の果実着色は、良果の割合が多く、不良果割合が低い傾向が認められ、果実中 の窒素含量の低い方が着色良好になる傾向と一致した。また、果実の屈折計示度や酸度 は施肥時期による差がほとんどないが、硬度は秋基肥区の方が高く、日持ち性が優れ、 高品質果実生産に有効であった(図1表2)。‘つがる’と比較して‘ふじ’の着色 向上効果はやや劣ったが、樹冠占有率が115%と大きく、隣接樹との枝の交差により 日照が不足したためと考えられる(表1図1)。

[成果の活用面・留意点]
樹冠下は清耕またはマルチ栽培とし施肥窒素の吸収を良くする。砂質土など土壌中の 養分溶脱の大きい園で樹勢の低下が認められる場合には春に追肥をする。

[その他]
研究課題名:わい性台リンゴ樹の施肥反応の解明
予算区分 :指定試験
研究期間 :
発表論文等:昭和61〜平成4年度 福島県果樹試験場業務報告