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中間台木利用による'高田梅'の寒凍害防止対策


[要約]
'高田梅'の寒凍害を防止する目的で、地際部から70cmの部位に中間台木と してウメ及びアンズ品種を導入した。その結果、品種間に生存率26〜100%の間で差 が認められ'鴬宿'、'前沢小梅'、'藤五郎'の3品種が、'高田梅'の 寒凍害防止対策のための中間台木として有効であることが示唆された。
福島県果樹試験場・会津試験場
[連絡先] 0242-83-2114
[部会名] 果樹
[専門]  栽培
[対象]  うめ
[分類]  研究

[背景・ねらい]
福島県会津地方で栽培されている'高田梅'は、苗木植栽後数年で枯死する事例が 多く、園地化する上で重大な障害となっている。これまでの調査では、枯死樹の主幹部 で地上60cm以下の部位に、枯れ込み症状が認められ、これが枯死原因の一つと考えられ ている。そこで、枯れ込み症状の集中する部位に耐寒性の強い中間台木品種を導入する ことにより、'高田梅'の枯死防止対策を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 1988年4月に市販のウメ及びアンズ14品種(ウメ10品種、アンズ4品種;台木実生)を 樹間1mで植栽し、同年8月に地上70cmの位置に'高田梅'を芽接ぎした。
  2. 芽接ぎ後の活着率は、'新潟大実′55%、'大野豊後'60%とやや低かったが、この他 の品種については80%以上と良好であった(表1)。
  3. 枯死樹は植栽1年目から徐々にみられ、全体の傾向としては2〜3年目にかけて枯死する 品種が多かった。植栽4年目の生存率は、台木の品種により大きな差が認められ、 '鴬宿'、'越の梅''藤五郎'、'前沢小梅'、'梅郷′、の生存率が、80%以上で 耐寒性が高いと考えられた(図1)。
  4. 台負けは、植栽後2年目から現れ、'八助'以外の13品種で認められた。特に'花香実' '梅郷'、'白加賀'、'信濃小梅'の台負けが顕著で、これらの品種の接木部位は異常 肥大し、支柱を使用しない栽培には不適と考えられた (表2)。
  5. 果実は1991年から着果したが、1991年〜1992年の収量は、中間台木の品種により差が 認められた。供託品種中で最も収量が低かったのは、'越の梅'で、今後結実の点で検討 が必要である(表2)。
  6. これらのことから、'高田梅'の中間台木としては'鴬宿'、'前沢小梅'、'藤五郎'が有効 と考えられた。

[成果の活用面・留意点]
これらの中間台木を用いて一般栽培した場合の樹の生育、樹形及び収量性について更に 検討する必要がある。

[その他]
研究課題名:積雪寒冷地におけるウメの生産安定対策試験
予算区分 :県単
研究期間 :1988年〜1992年
発表論文等:斉藤祐一、菊池裕雄、氷山宏一(1993). 中間台木利用による'高田梅'の
            寒凍害防止対策 東北農業研究46:(印刷中)