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リンゴ加工栽培園の管理作業の省力化


[要約]
リンゴ加工栽培園の低コスト生産の一貫として主たる手作業の省力試験を行った。 その結果、慣行栽培園に比べ、労働時間は70〜80%省力でき、収量はほぼ同等 で外観は劣ったが、糖度及びアミノ態窒素が高かった。
青森県リンゴ試験場・栽培部
[連絡先] 0172-52-2331
[部会名] 果樹
[専門]  栽培
[対象]  果樹類
[分類]  普及

[背景・ねらい]
加工向け果実の生産は生食用とは異なり価格の安いことが前提になる。このため、 極力省力栽培を行って低コスト生産に努めなければならない。そこで 「ジョナゴールド」のわい化樹成木を供試して加工栽培区を設定し、整枝剪定、摘果、 着色手入れ、収穫及び防除剤の散布回数について慣行栽培と比較検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 加工栽培区の作業時間を慣行栽培区に対比してみると、整枝剪定は脚立を使用せず、 鋸のみで行ったところ、樹冠内部の受光は劣ったが、慣行の51〜55%であった。摘果は 摘花剤(石灰硫黄合剤)の2回散布またはこれに摘果剤(ミクロデナポン)の1回散布 を併用した結果、慣行の22〜45%であった。収穫は収穫袋を用いて一斉に行ったが、 作業時間は慣行の51〜90%であった。また、上記の3作業に着色手入れを加えた (加工栽培区無摘葉)作業時間の合計は慣行の20〜30%であった。 (表1)
  2. 10a当たり収量は、加工栽培区が4.7〜7.8tで、慣行栽培の5.8〜6.6tとほぼ同量であった 。(表2表3)
  3. 果実の大きさは加工栽培区が慣行栽培区よりやや小さく、着色は劣ったが、糖度は高く 、全窒素及びアミノ態窒素は多かった。(表4)
  4. 防除剤の散布回数は慣行栽培区の14回に対して加工栽培区は10回にとどめたが、 回数削減による影響は特になかった。
  5. 以上の結果、上記各管理作業の省力法は収量及び果実の加工適性を損なうものでなく、 栽培に要する作業時間は慣行の20〜30%で管理できた。

[成果の活用面・留意点]
加工栽培にはいずれの省力方法も活用できるだけでなく、生食用栽培においても 摘花剤、摘果剤及び収穫袋の利用が期待される。ただし、摘果剤は品種によって許認可 のないものがあるので注意する。

[その他]
研究課題名:特定農産物緊急技術開発
予算区分 :特定農産物緊急技術開発事業
研究期間 :平成5年度(平成1〜5年)
発表論文等:なし