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おうとう低樹高化による品質向上対策


[要約]
樹高を3.5m〜4.0mに切り下げ、パクロブトラゾール(1000倍)を満開後3〜6週間に 1回樹上散布することによって、新梢伸長は抑制され、果実品質は改善され、 作業能率の向上が図られる。
秋田県果樹試験場・栽培部・栽培担当
[連絡先] 0182-25-4224
[部会名] 果樹
[専門]  栽培
[対象]  果樹類
[分類]  指導

[背景・ねらい]
秋田県におけるおうとうの栽培面積は71.0haであるが、晩出し地帯としての有利性をも ち、増植の傾向にある。しかし、大樹仕立てが主流であり、最近裂果防止対策として 雨よけハウスが普及しているが、依然樹が高く栽培管理に難がある。このため低樹高 にし、側枝をスレンダー状に整枝することによって受光態勢を改善し、果実品貫を向上 させ、作業能率が上がる樹形の改善を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 樹高5.0m以上の成木を3年間計画で3.5〜4.0mに切り下げ、側枝をスレンダー状に整枝、 せん定したところ、樹冠内部、下部までよく光が透入し、果実の着色と糖度の上昇が 認められた(図1表1)。
  2. アオバザクラ台木とコルト台木に接いだ佐藤錦で樹冠の大きさを経時的に調査した ところ、コルト台木のものが樹勢強く、樹冠の拡大も早かった。果実はアオバ台木の ものよりコルト台木のものが大きかった。
  3. 樹勢抑制のためパクロブトラゾール1000倍の濃度で樹上散布したところ、新梢伸長は 55%に抑制され、着果数と結実率が増加し、果実の着色及び糖度が上昇した (表2表3)。

[成果の活用面・留意点]
整枝せん定による段階的な低樹高化とパクロブトラゾールの樹上散布によって、樹勢の 適正化、収量・果実品質の安定向上、低樹高化による作業性向上などにより、 おうとうの収益性が向上すると共に、今後10a当たり植栽本数の増加が見込まれ、 早期多収が図られる。

[その他]
研究課題名:おうとう栽培における低コストのための樹形改善と熟期拡大技術の確立
予算区分 :地域重要技術開発促進事業
研究期間 :平成元〜5年
発表論文等:おうとうの品質向上に関する試験 久米靖穂・森田泉・鈴木英司・近藤悟
            東北農業研究 45.197-198.1992