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オウトウショウジョウバエの寄主植物


[要約]
福島県においてオウトウショウジョウバエの発生が確認された寄主植物は、 オウトウの他にソメイヨシノ、ナツグミ、クワ、ブルーベリー、ブラックベリー、 ラズベリー、ナワシロイチゴ、モモ、イヌザクラ、アメリカヤマゴボウの10種で、 本種の生活史の一部が解明された。
福島県果樹試験場・病理昆虫部
[連絡先] 0245-42-4191
[部会名] 果樹
[専門]  作物虫害
[対象]  おうとう
[分類]  指導

[背景・ねらい]
本県においてオウトウの果実に寄生する害虫は、オウトウショウジョウバエであること が明らかにされている。本種は多食性であることが知られているので、オウトウ以外の 寄主植物を探索し、本種の生活史を解明する。そこで本種の被害と思われる果実を それぞれの成熟期に採取し、飼育成虫により同定するとともに、それぞれの果実に放飼 し寄生できるがどうか検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. オウトウ被害果から羽化したショウジョウバエは、オウトウショウジョウバエで あった。腐敗果に寄生するキイロショウジョウバエの寄生は確認されなかった (表1)。
  2. 野外においてオウトウ以外に寄生が確認された植物は、ソメイヨシノ、ナツグミ、 クワ、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、ナワシロイチゴ、モモ、 イヌザクラ、アメリカヤマゴボウの10種であった (表1)。
  3. 室内の放飼試験では裂果や傷果であればアンズ、スモモ、ブドウ、スグリ、ナシ、 リンゴ、カキにも寄生し、寄主範囲はかなり広いと考えられる (表2)。
  4. 本種と近縁のニセオウトウショウジョウバエの寄生はオウトウでは確認されなかった が、ブラックベリー、ナワシロイチゴおよぴイヌサクラで確認された (表1)。
  5. 福島県における本種の生活環は次のように推察される (図1)。越成虫が5月中旬頃 よりソメイヨシノなどに寄生する。その後オウトウ園に飛来し、6月上旬から7月中旬頃 までオウトウに寄生する。7月中旬以降はナワシロイチゴ、ブルーベリー、イヌザクラ、 アメリカヤマゴボウなどに寄生する。

[成果の活用面・留意点]
春から晩秋にかりての生活環が解明されたので、オウトウ以外の寄主植物での発生状況 からオウトウでの発生を予測する予察技術の開発に役立つ。 本種とニセオウトウショウジョウバエは形態的に類似するので、両種を区別する必要が ある。

[その他]
研究課題名:オウトウ主要病害虫の発生生態の解明と防除法確立に関する試験
予算区分 :国庫補助(地域重要新技術開発促進事業)
研究期間 :平成元〜5年
発表論文等:オウトウショウジョウバエの発生消長および寄主植物について・第53回昆虫学会
            ・第38回応動昆講演要旨・1993
            オウトウでのショウジョウバエの発生生態(T)ショウジョウバエの種類と発生消長・
            北日本病害虫研究報・第44号・1993